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02病原菌という名のモンスター

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 朝起きて、隣で寝ているリアを起こさないようにパソコンに向かう。先ずは浄化装置を調べると、浄化装置の周りは完全に浄化された綺麗な水になっていた。生物が住めないほどだ。ただ、逆に飲み水としては問題無いし、設定も変えられるようだ。流石は5000CPだ。なので、栄養豊富な水に成分を調整する。正確には回復の泉になるのだ。それも、状態異常を治す効果もあるらしい。という訳で、この綺麗になっている部分のお水を畑に撒いたり、リアの本体たる木に2リットルのペットボトルで汲んでかけてあげると、カサカサに乾燥していた根っこが光って少しましになったようだ。あと、このお水を沸騰させて朝ご飯の用意をする。そして、狐印のどんべーちゃんを汁までしっかりと飲んで朝食を終える。


「よし、訓練だ」


 和弓を取り出して、矢を番えて放つ。ヘロヘロと飛んで地面に落ちるので、先ずはちゃんと飛ぶように練習する。疲れたらペットボトルに汲んだ水を少し飲んで、後は根っこにかける。その後、また入れてから訓練する。この繰り返しだ。生きる為に必要な事なので必死だ。


「……おは、よ……」

「ああ、おはよ」


 片手で精霊虫を抱きながら、目を眠そうにしながらこっちにとてとてと歩いてくる。そして、浄化された水がある祭壇までの道を歩いて、綺麗な水に顔ごと突っ込む。すると、身体が微かに光って、多少は元気になったようだ。精霊虫のアイディリアも美味そうに水を飲んでいる。それが終わると、こちらにとてとてと歩いてくる。


「それで、今日はどうする? 残り71日だろ?」

「……そ、う……だから、経路パス、繋いだ……これ、あげる……」


 リアと瞳を合わせると、リアの残った瞳から光が溢れて、俺の片方の瞳に激痛が走った。


「な、何を……」

「……リア、の、瞳、あげ……た……かわり、貰った……」


 右目を押さえながらリアの顔を見ると、先程まで深い緑色の綺麗な瞳があった場所には黒い瞳があった。俺は慌てて水面を見ると、片方の瞳が深い緑色の綺麗な瞳になっていた。


「……誓約……証……まっぷ……?」


 マップとつぶやくと、精霊樹の中身が全て映し出された。つまり、これは精霊樹内の情報端末替わりになるという事か。他にも色々とありそうだ。


「……さ、ぽーと、いろいろ……?」


 調べて見ると、距離とかも正確に理解できる。痛みが収まったら、和弓をもう一度射てみる。すると、今度は到達距離など、様々な事が理解できた。なら、後はひたすら練習するだけだ。そして、何より……暗視機能がついているようで素晴らしい。

 だが、リアの方はこけたりと結構大変そうだ。泣きそうになりながらも、ペットボトルを持って水をアイディリアと一緒に運んでいる。


「手伝おうか?」

「……い、い……これ……リアの……やく、め……れん、しゅう、する……」


 そう言われては仕方無いので、練習を繰り返し行う。3日間、ひたすら練習すれば的にはあてられるようになった。残り68日だ。リアも身体に慣れたのか、危なかっしいが問題なさそうだ。一度、水に落ちて大変かと思ったが、溺れる事もなく平気な顔をしてあがってきた。


「リア、それじゃあ狩りに行こうと思うんだけど、どこから行けばいい?」

「……ここ、に……階段、作った……」


 案内された場所に行けば、階段ができていた。どうやら、ここからダンジョンへと入るみたいだが、先ずは装備の確認だ。先ずは回復薬が入った500mlのペットボトル2本、致死毒の水が入った水筒1本和弓1、矢800本の矢筒だ。そして、お供にアイディリアと。


「じゃあ、行ってくる。留守番を頼むな」

「……ん、任せ、る……」


 胸を張って答えるリアの頭を撫でてから、俺はダンジョンへと足を踏み入れた。自分のダンジョンなのだがな。





 木の根で構成された通路を歩き、最初の病原菌が居る場所を目指す。それは程なくして見つけられた。それはヒラタキクムシを大きくしたような存在だ。


「先ずは仕留めるか」


 毒入りの水筒の蓋を開けて矢を漬ける。そして、一生懸命にかじろうとしているヒラタキクムシに向かって矢を放つ。そして、放たれた矢は見後、ヒラタキクムシに突き刺さる。流石に致死率99%。ヒラタキクムシは死亡した。それと同時に脳内にファンファーレが響いた。


「よし、食べて良いぞ」

「きゅるっ」


 ファンファーレを無視して指示をだすと、アイディリアは嬉しそうにヒラタキクムシの死体に近づいて柔らかそうなお腹っぽい場所から粗食していく。その間にファンファーレを調べる。


「ステータス」


 やはり、ゲームの世界だけあって、俺のステータスも開けられた。


 ─────────────────────────────

 名前:リクト

 種族:異世界人

 職業:ダンジョンクリエイター

 Lv:1⇒2

 体力:60⇒110

 魔力:60⇒110

 生命:10

 筋力:10

 敏捷:10

 器用:10

 知力:10

 精神:10

 幸運:10

 技能:《ダンジョン作成》《精霊樹の瞳》《射撃1》

 RP:0⇒10 

 ─────────────────────────────


 どうやら、レベルが上がったようだな。アイディリアの方も見てみよう。異世界人はその名の通りだが、後は一旦無視だ。


 ─────────────────────────────

 名前:アイディリア

 種族:精霊虫

 職業:精霊樹リアの抱き枕

 Lv:1⇒2

 体力:500⇒605

 魔力:600⇒705

 生命:5

 筋力:5

 敏捷:5

 器用:5

 知力:5

 精神:5

 幸運:5

 技能:《捕食》《???》

 RP:0⇒15 

 ─────────────────────────────


 精霊樹の瞳の御蔭で詳しいステータスが表示されたようだが……体力と魔力の桁が違うぞ……流石はリアの腕と瞳を合成されただけはある。

 RPは強化ポイントの略みたいで、ステータスやスキル習得に使える。取りあえず、前線に出て欲しいので筋力、敏捷、器用に与えておこう。スキルの習得は後回しだ。それにしてもRPが高いのは捕食したせいだろう。つまり、どう考えてもこの子の方が強くなるみたいだ。仕方無い。それにしても、職業が笑える。抱き枕、抱き枕って……ぷぷ。おっと、それよりもステータスを習得しよう。欲しいのは配下の成長速度が上がるスキルだ。なので、配下成長力上昇を選択した。


 ─────────────────────────────

 名前:リクト

 種族:異世界人

 職業:ダンジョンクリエイター

 Lv:2

 体力:110

 魔力:110

 生命:10

 筋力:10

 敏捷:10

 器用:10

 知力:10

 精神:10

 幸運:10

 技能:《ダンジョン作成》《精霊樹の瞳》《射撃1》《配下成長力上昇1》

 RP:10⇒0

 ─────────────────────────────

 名前:アイディリア

 種族:精霊虫

 職業:精霊樹リアの抱き枕

 Lv:2

 体力:605

 魔力:705

 生命:5

 筋力:5⇒10

 敏捷:5⇒10

 器用:5⇒10

 知力:5

 精神:5

 幸運:5

 技能:《捕食》《???》

 RP:15⇒0 

 ─────────────────────────────


 配下成長力上昇はレベルが上がる毎にステータスにボーナスがつくようだ。早めに得ていた方が良い。スキルは1から2にあげるには100ポイント要る。2から3には200ポイント。3から4には300ポイントと無茶苦茶な量が居るので、できる限りステータスに降らずに貯めたい物だ。


「きゅい」

「食べ終わったか。なら、消化仕切る前に回復薬を飲もうな。毒を消さないと怖いし」

「きゅるる」


 体調が悪そうにしながらも可愛く鳴くアイディリアに回復薬を飲ませて元気にさせる。その後、一緒に奥へと進んでいく。敵はうようよ居るのだから、獲物はまだまだいるのだ。毒に関しては耐性を得るまでの辛抱だ。俺が練習で手に入れた射撃と同様、数をこなせば毒耐性を得られるだろうからな。








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