食事
あなたはお腹が空いたことはありますか?
ただの空腹感ではありません。
死を目前にする程の飢えを感じたことはありますか?
私はあります。
それはとても辛いことでした。
四肢に力は入らず、思考はまともに働くことはありません。
視界が徐々に暗くなってきて耳朶には響く音は自らの腹が生み出す音だけです。
自分の鼓動よりも大きな音だけがまだ生きている証拠だと思わせてくれます。
そんなお腹がすく前に何か食べればいいじゃないかと貴方は思うでしょう。
ですが、本当に食べるものが無かったのです。
私の空腹を満たしたのは一人の少年でした。
甘い芳しい香りをさせて来たのです。
私はその少年を愛していました。
その少年は私に食べ物を差し出しました。
私は一心不乱にかぶりつきました。
赤い汁を溢れださせ、甘い香りを漂わせ、私は口からだらしなく果汁を垂らしながらかぶりつきました。
甘かった。私の空腹は満たされました。
おいしくて、おいしくて私は我慢がききませんでした。
少年の持つ食べ物を全て食べつくしました。
私の大好きな少年はいつの間にか居なくなっていました。
私の醜い食事姿に愛想を尽かしてしまったのかもしれない。
私は恥ずかしさのあまりここから逃げ出してしまいました。
それからしばらくして、私は迷子の少年に出会いました。
少年はどうやら母親とはぐれてしまったようでした。
私は少年を連れて母親を探しに歩きました。
ですが少年の母親は見つかりません。
そのうちに少年のお腹がなりました。私のお腹もなりました。
空腹がまた私を襲ってきたのです。
少年はお腹が空いたと言いました。言われなくても分かっていましたが私は知らないふりをしてあげました。
私は何とか食べるものにありつこうとしました。
苦心して作った料理でしたが、迷子の少年はどこにもいませんでした。
何処に行ってしまったんだろう?私は疑問に思いましたが待てども少年は来ません。
もしかしたら母親が見つかったのかもしれません。
私は仕方がないので自分の料理を食べました。
甘くておいしい。
私の食事姿は醜いのでしょう。
私の食事風景をたまたま見た婦人が悲鳴をあげました。
私は沢山の人に拘束されました。
たくさんの人に化物と罵られました。
私はお腹がすいていただけでした。
私はご飯を食べただけでした。
それはいけないことなんですか?
愛した人を食べることが。
若い男の子を食べることが。
皆食べてますよね?
ケチャップの沢山かかったミートパイ。
トマトスープにミートソーススパゲティ。
どれも甘くておいしいですよね?
なのにどうして…。
私はお腹がすいています。
決して満たされることはないのです。
こんなところまで会いに来てくれた貴方を私は愛してます。
だから、私にご飯をくれませんか?
私を貴方で満たしてくれませんか?
ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ああ、お腹が空いたなぁ…。