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掌編小説

風景写真

作者: 斎藤康介

 この場所に住もうと決めたのは一枚の写真だった。

 ネットで見つけたもので、住宅街の小さな路地裏に猫がいる風景写真だった。

 全体的な光りの加減が柔らかく、暖かな陽が木に反射する中で毛づくろいしている猫を見るとも何とも言えない朗らかな気持ちになれ、一目見て気に入った。携帯の待受けにもした。


 実際にこの場所に訪れたのは偶然と私自身の方向感覚のなさ要因だった。

 はじめは既視感のある風景に、理由が分からず混乱したが、見覚えのある木の前に立ちようやく写真の場所だと気付いた。そのまま近くの不動産屋に出向いたのは私の生涯の中でも一二位を争うほどの行動力に違いなかった。


 そして引越し当日、荷降ろしがひと段落つき外に出たときに一匹の猫が目の前を通った。

 写真と同じ茶色い毛をした猫だった。

 写真の猫と同じかは定かではない。しかし、出会えたことが嬉しく私はこの小さな先住者にあいさつをした。

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