【映え狙いに要注意】美しい鳥の正体は……?ーー妖怪ミロミロのつぶやきーー
【美しい姿と声に騙されるな!】
人間の他人にかまってほしいと膨れ上がった承認欲求が漏れ出て、ドロドロのヘドロのような澱が溢れ出してできた妖怪、それが僕――かまってちゃん妖怪ミロミロだよ。
でも、人間には「世界一美しい鳥」のケツァールの姿に見え、僕が囀る鳴き声は「世界一美しい声」のナイチンゲールと同じに聞こえるらしいよ。人間なんか所詮、物事を見たいようにしか見ないし、自分の都合の良いことしか聞こえない奴らだからなぁ〜。
僕の本当の姿は、海にいるナマコみたいなものさ。あのナマコから黒いドロドロしたねばねばしたものが垂れ流されている。そのねばねばに触ったら、もう一生その気持ち悪いねばねばが取れないんだよ。そんな姿なのに、自由の象徴であるケツァールの姿をしているなんて、なんて皮肉なんだろうね(笑)。おかしくってしょうがないよ。
そのねばねばはさぁ、「ケツァールは狭いところに閉じ込められたら、デリケートな鳥だからすぐ死んでしまう」っていう性質にどこか似ていてさ。そのねばねばに触ったら、逆に「自由を求めて……」なんて言いながら、こっちを「かまって! かまって!」って、かまってちゃんが余計に発動するんだよ。「自分一人だけを見てね、自分を認めてね」ってね。
この街には承認欲求の多い奴がたくさんいるし、かまってちゃんなんてもっと多いからね。仲間がいっぱいいるわけさ。そういう奴に限って「映えるから」って僕をスマホで写そうとしたりさ、そんな僕を連れている自分を想像して捕まえようと近寄ってくるんだよ。
その時が僕のチャンスさ! 美しく鳴きながら肩や頭なんかにちょこんと乗るために飛んでいって、止まった途端にそいつの滝のように溢れ出したドロドロの澱を全部吸い取るわけさ。吸い取るだけじゃなくて、僕のネバネバもついでにつけてあげるのさ。
そしたらその後は、おいらはさっとまた飛び去って、手が届くか届かないかの頭の上をぐるぐる回ってあげるんだよ。そうすると、馬鹿な人間は僕を捕まえようと、手を伸ばしてジャンプをするんだよ。そうしているうちに、僕のねばねばがうまく体に染み渡ってさぁ、それからが大変だよ。
「自分だけをかまって! 自分だけをみんな認めて!」って気持ちが増大して、後のことは知らないよ。自業自得の人生を送るんだな。
「おっ! またスマホを構えて、僕を勝手に撮ろうとする奴がいるぞ! あれは極上の澱だな。また僕の糧になってもらおうかなぁ」




