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桜舞う街の探偵奇譚  作者: 櫻木サヱ


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6/11

偽りの笑顔

春の光が校舎に降り注ぐ中、学園祭が始まった。校庭には模擬店が並び、生徒たちの笑い声や歓声であふれている。しかし、奏と紗夜の胸中には昨日までの影の存在が、まだ消えずに残っていた。


「……こんな明るい日なのに、心が落ち着かないね」

紗夜が笑顔を作るが、目は鋭く周囲を見渡す。


奏は無言で紙片をポケットから取り出す。昨日の鍵の行き先はまだ不明だ。だが、学園祭には新たな手がかりが隠されているはずだ。


「……あれ?」

突然、紗夜の視線が校庭の一角に集まった。


そこには、昨日失踪したはずのクラスメイト・桜井陽菜が、まるで何事もなかったかのように笑顔で模擬店に立っていた。


「陽菜!? 何でここに……」

紗夜が驚きの声をあげる。


陽菜は楽しげに手を振りながらも、どこかぎこちない笑顔を浮かべていた。

「えっと……昨日は、ちょっと用事があって……ごめんね」


奏は目を細め、周囲の人々の動きを観察する。笑顔の奥に微かな違和感がある。

「……何かを隠している」


その時、遠くで小さな紙片が風に乗って飛んでくる。紗夜が慌てて拾うと、そこには新たな暗号が書かれていた。


「笑顔の裏に潜む影

真実は、歓声の中で動く」


「笑顔の裏に影……歓声の中で動く……」紗夜は眉をひそめる。

「何か、これってただの失踪じゃなくて、もっと大きな計画の一部なのかな?」


奏は紙片をじっと見つめる。

「可能性は高い。陽菜の行動も、偶然ではない。誰かが巧妙に仕組んだものだろう」


その瞬間、二階の廊下から女性の笑い声がかすかに聞こえた。昨日の地下、図書室で聞いたあの声――。


「ふふふ……学園祭は楽しい舞台。さて、次は誰がその舞台に立つかしら?」


紗夜は小さく息を呑む。

「やっぱり、これはまだ序章だね……!」


奏は紙片をポケットにしまい、軽くうなずく。

「次の手がかりは、この歓声の中だ。私たちは見逃さない」


桜舞う校庭で、笑顔に隠された影と、事件の全貌へと続く新たな謎が、奏と紗夜を待っていた。


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