表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜舞う街の探偵奇譚  作者: 櫻木サヱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/11

影を追う放課後

放課後の校舎は、昼間の賑わいが嘘のように静まり返っていた。桜の花びらが風に舞い、廊下にはかすかな光が差し込む。奏と紗夜は、昨日発見した地下の小箱に入っていた鍵を握りしめながら、次なる手がかりを追っていた。


「この鍵、何を開けるんだろう……」

紗夜は手元の鍵をぐるぐる回しながら首を傾げる。


「可能性は二つ。校内の隠し扉か、昨日見つけた資料の小箱の中にある別の仕掛けか」

奏は冷静に分析する。紙片の暗号と照らし合わせれば、何か手がかりが見つかるかもしれない。


「……あ!」

紗夜が廊下の角を指さした。影のように揺れる何かがあった。


「人影?」

奏はそっと足を止める。

「いや、動きが一定じゃない。まるで、こちらの様子を探るかのようだ」


二人は息を潜め、影の動きを追う。廊下の奥で影は止まり、壁に沿って消えた。


「……追いかけるしかない」

紗夜は小走りで影を追い、奏も後に続く。


その先に現れたのは、普段は使われない古い図書室。埃っぽい空気に包まれ、窓から差し込む光が薄暗い室内にぼんやりと広がる。


「ここか……」

奏は静かに呟く。机の上には、昨日の紙片と同じインクで書かれたメモが広げられていた。


「答えは光と影の狭間にある」


「光と影の狭間……?」

紗夜が首を傾げる。


奏は壁際に置かれた鏡を指差した。

「この部屋の鏡に意味があるかもしれない」


二人が鏡に近づくと、何かが壁に映っているのに気づく。自分たちの影ではない、もう一つの影。薄暗い光の中で、誰かがこちらを見ているような気配があった。


その瞬間、図書室の奥から小さな足音が近づく。

「誰だ……?」

奏が警戒する。


しかし現れたのは、誰もいない。足音はすぐに消え、残ったのは微かに揺れる影だけ。


「……誰かが、この迷宮の中で私たちを試しているようだ」

奏の声には冷静さの中に緊張が混じっていた。


「でも、面白いね! こういうの、探偵漫画みたいじゃん!」

紗夜は笑顔を浮かべつつも、目は光を失わない。二人の背後で、窓から差し込む桜の花びらが揺れる。


この影の正体を突き止めることが、次の手がかりを得る鍵になる――。奏と紗夜は、迷宮のような校舎で、新たな謎を追い続ける決意を固めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ