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深淵のノア  作者: 猫姫
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鬼の顔は真っ赤になりました。

悪魔は人間に強く、精霊に弱い。

人間は精霊に強く、悪魔に弱い。

精霊は悪魔に強く、人間に弱い。


人間の精霊学者が考えた三竦みの法則。


単に苦手意識と言う者、世界の理だと言う者。

全部絵空事で、全く意味のないものだと言う者。


精霊である私からしてみたら当たらずも遠からずと言ったところ。


そして、それは今まさに実践しなければならない。

精霊は悪魔に強いからと、勇者様に言って来た。

魔王四天王天眼鬼シュテン、その姿が見えた。

鬼人族オーガであり魔族でも気性の荒さでは、一、二を争う武道に長けた種族。


「なんだ?勇者はいないのか?」

進化秘宝スフィアよ!」

私は進化秘宝を使用する。


「ふぅ…」

眩い光と内から溢れる力、進化は成功した。


「なんだ猫が少し大きくなっただけか?」

「天眼鬼シュテン、御初にお目にかかります。私は長靴を履いた猫の王【ロード・オブ・ロングブーツ・キャット】の野愛ノアと申します」

「ゴブリンども、アレを蹂躙してこい」

「全く、忙し無い…」

コボルト戦士達をコボルト親衛隊に、階級上昇ジョブチェンジし、更にコボルト銃士隊を呼ぶ。


敵はゴブリン数千騎にボブゴブリン数十騎、オーガ六騎と大将シュテン。

対して、こちらはコボルト親衛隊三騎にコボルト銃士隊が三十騎。

今の使用できる精霊力ではこれが精一杯。

でも、領域を増やせればなんとかなる。


精霊は悪魔に強い。


悪魔は物理的な攻撃より精神を蹂躙する事を好む。

故に強大な力で相手を畏怖させて襲いかかる。

萎縮させればあとは煮るなり焼くなり好き放題する。

しかし、悪魔と精霊は根本的に戦い方が違う。

領域を増やして力を高め敵を薙ぎ倒す。

小さな蝶の羽ばたきが風の精霊の領域にのり、嵐となるように、小さな火種が火の精霊の領域で火山を爆発させるように。

大地を踏み締めた祭りの足音は土の精霊の領域で地震を起こし、岩より滲み出る湧水は水の精霊の領域に乗り滝や濁流となり海になる。


「銃士隊、撃てぇっ!!」

三列に並べたコボルト銃士隊は、一列目が発砲。

二列目は発砲準備し一列目へ、三列目は弾込めして二列目で待機。

コボルト銃士の打ち出すドングリ弾は、天眼鬼シュテンに届かず、オーガに当たったが射程範囲外で威力不足。

ゴブリン、ボブゴブリンの盾に当たり、地面に落ちた。


「ウゴォッ!」

ゴブリン、ボブゴブリンは雄叫びを上げ、突撃してくる。


…かかった。


「いまです!」

ゴブリンが足がドングリを踏むと同時に混ぜておいた精霊団栗を発動させた。

ゴブリンの力を吸い、一気に成長して精霊の木になる。

ゴブリン、ボブゴブリンを次々と飲み込み精霊の木は、大地の浄化をはじめて私の領域になる。


「ゴブリン共、何をしている!?」

進行したくてもどのドングリか分からず、足踏みする。


「ゴブリン、密集陣形!」

「そうきますか、ならば」

多少の損害構わず、一点突破する戦法ですね。


「コボルト大砲隊、前へ」

溜まった精霊力で、コボルト二人分の精霊力を持った大砲隊を呼ぶ。


「ファイアっ!!」

密集するゴブリン、ボブゴブリンに大型ドングリ弾を発射。

当たると同時に弾け無数の精霊団栗を撒き散らした。


「グギャギャ!?」

密集が仇となりどんどん命中する。

邪精霊ゴブリンは精霊力を反転させ、精霊の木となった。

魔の森は、徐々に力を失い私の精霊の森の領域となる。

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