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教室はいたってシンプル。学校の教室というよりも大学などの教室の方が近いかしら。長机が並び、そこに二名くらいが並んで座れるそんな感じ。ただ、席は自由席というわけではないようで、席の上には魔法で名前が示されている。
「あら? 私、一人席なのね」
二名で並ぶはずだけど、私の席には一人だけの名前。とはいえ、隣の机にはエルキュール様がいるのだけど。なんか、イニャス様とエルキュール様があれ?と首を傾げている。どうしたのかしら。
ひとまず、人数的にも私か誰かが余るのは当然だし、席に腰を下ろす。
ちょうど、そんな時、教員が転移してくる。クラス担当なのだろうけど、濡羽色の髪はボサボサとしていて目は見えない。無精髭も生えてるし、何よりも式典にそれで参加してたのだろうかと顔を顰めてしまうくらい服装がヨレヨレである。浮浪者と言われたほうが似合うその教員はぐるりと教室内を眺めると学園での主な規則などを説明していく。ただ、声は耳障りのいいものだった。
「すみません、遅くなりました」
そう言って教室に入ってきたのは承和色の髪にグリーントルマリンを思わせる緑の目を持った片眼鏡の青年。あの片眼鏡、我が商会のものではありませんかね???
「あぁ、そうか、君もいるのだったね。空いている席に座ってくれ」
「はい」
青年は教員にそう言われるところを見るに今回の入学生ではない?
「隣、失礼してもよろしいだろうか」
「えぇ、どうぞ」
隣に青年が座り、エルキュール様の目が座る。しょうがないでしょうに。教員の目は見えないが顔が私の隣に向いていたのだから。わざわざ、誰もいない別の席に座るよりもそうすることのほうが自然よ。
「それでは皆も揃ったようだし、自己紹介といこう。まずは教員である私から言おうか。この度、君たちの担任になったモール・マルシェだ。魔法学の担当でもある。君たちは優秀であると思うし、存分に私を楽させてくれると嬉しい」
どういうこっちゃねんとツッコミたいわ。いや、このマルシェ先生からしたらお茶目を見せたのだろうが、空気は固まっている。それにすぐに気づいたようで「おっと失敗したようだ」と一人笑われていた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!
今日も短めであります。明日は自己紹介編みたいな。ざっと名前と容姿だけが流れていきます、たぶん。







