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十五歳から十八歳まで貴族であれば必ず学園に通う必要がある。それもあって、十四歳になってから少しずつ学園へ通うための準備が進められる。
「それではこちらを納品させていただきます」
王都の屋敷に制服が届けられる。流石に制服はうちでは取り扱い申請を出してもなかったし、取り扱うつもりもなかったから別の商会にお願いした。
「やはり、中は自由と言いつつ大体決まってくるわね」
名ばかりの制服だと言われているが、きちんと制服の役割を果たしている。女性はスカートが一体となったジャケット、男性はジャケットにスラックスが決められたものになる。
女性のジャケットは女性らしさを出すためか腰回りは細く、全体的にややスリムな形状になっている。そのため、膨らんだ形状のシャツや膨らんだ袖のドレスを着ていると見た目が不恰好になるだろう。さらに言えば、中の服の形状も崩れることも必至。そして、スカートが一体となったと言う理由は丈が長いのだ。ガウンペチコートのようにスカートの上に羽織る形になる。そのためどのような形状のドレス、スカートにも合うようにはなっている。また腰回りにはウエストベルトが付いているため、アクセントをつけることができる。そうね、ベルトだけ付け替えて遊ぶのもいいわね。ベルトは一応制服の一部になっているけど、つけてもつけなくてもいいとされている。そのため、ベルトの差し替えは可能と学園の規約には書かれている。
男性のジャケットはシングルジャケット。シンプルザベストというべきかしら。スラックスも制服として決められているので男性の方が遊びは少ないわね。中に着るシャツ、クラバットもしくはタイにベルト、靴あたりぐらいで遊べるか。でも、学園生活を続けていると大体決まった服装になってくるとはお兄様談。
「すでに支店で古着の販売をしてるけど、学園のおかげもあってか売上はいいのよね」
うちの子たちが購入しているというのもあるけど、うちの子たちの服を見て特待生で入った子や商人たちが注目を始めている。そして、何よりお金に余裕のない家がかなり懇意にしてくれている。
「まぁ、うちの子たちが優秀すぎるのよね」
営業をかけるところにはどんどんとかけ、古着でも有用であると広げた。さらに雇った針子たちがこれまた優秀だった。型落ちしてしまった服やドレスをあっという間に今に合わせて作り直してしまった。それもあって、営業をしている子たちは買取の声もかけるようになった。貴族だけでなく商人などの金持ちたちに箪笥の肥やしになっている服を買い取らせて欲しいといい。興味を持った人には買い取った服はどうするのかまで説明する。勿論、買い取る金額は端金。けれど、型落ちしたドレスや服は持っていてもしょうがない。誰かにあげるのも癪だし、少しでも金になるのならばいいかと売ってくれる人たちも多かった。
「リメイクまで手掛けてくれるなんてすごいわね」
最初のきっかけは何だったかしら。そう、気に入ってるけど型落ちで着にくいという相談があったんだわ。それから、でしたらここをこう直してとリメイクをすることを提案して、それからだったわね。そういうこともあったりなんだりして我が商会には普通の商会とは違い、商品販売部門と開発部門、衣料品部門、運送部門がある。事務方などは私、ナタンに部門未所属の子とそれぞれの部門から二、三人が選出されて皆で協力しながら行っている。ちなみに針子たちは無論衣料品部門に所属していて、王都でも領でもその優秀な腕を振るってくれている。
後ろ盾は公爵家ではあるけど、お金は入ってない。お父様とお母様は貴女が持っておきなさいと本来入るべきお金は私の管理になっているから。まぁ、その一部は教会と私の孤児院などの経営に回しているけど。
「ちょっと大きくなりすぎよね。でも、まだ王都では知名度はないから大丈夫なはず」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!







