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何度か技師に会いたい旨を打診したけれど、今のところ成立していない。さて、困ったわ。
物語などである展開としたら、一番弱い子が優秀でその子を騙して優れたものを作り出している。そして、その子のことがバレないように打診は受け付けてないとか。もしくは裏で悪事を働いているがために警戒しているとか。まぁ、単に会いたくない偏屈な人間っていうのも考えられるわね。
まぁ、一番は調べてもらうのが確かね。
「キバチ、アヴリールと一緒に調べてきて」
「……アブリールまで連れて行かなくてもいいだろ」
「ダメよ。貴方は無茶をするんだから、その歯止めとしてアヴリールは必要なんだから。それに彼女が居れば色々と理由づけができるでしょ」
影から現れたのは至極色の髪にゴールデンベリルのような黄金の目をもつ少年ーーキバチ。私と同い年かそれに近い年齢のなのだろうけど、すでに固有スキルを発現していて、それが影に潜むこと。故に隠密などでとても役に立つ。そんな彼にはずっと一緒にいる白髪のモルガナイトのような淡いピンクの目を持つ女の子ーーアヴリールがいる。この二人を私は個人的に雇っている。正しくは拾ったのだけど。
十歳かそこらの時だったかしら、出かけ先で死にかけていたところを拾った。正確にはその時死にかけていたのはキバチ。それを守ろうとしていたのがアヴリールだった。ただ、アヴリールを養っていたのはキバチ。どうしてそうなってたかというと早くから固有スキルを発言させていたキバチはそれを使って情報屋をしていた。けれど、それが失敗。ボロボロになるくらいに乱暴された。彼に隠れてろと言われたアヴリールは必死に隠れていたようで彼女には何もなかった。けれど、たまたま通りがかった私が近づいた時、彼女は飛び出して、キバチを庇ったというわけ。恐らく、キバチにあれ以上危害を加えられたくなかったのね。ちなみにキバチはうまいこと利用されて使い捨てられたのだと思う。まぁ、私は拾ってしまったのだけど。だって、彼は何も学んでいないから、何が重要で何がいらないのか知らなかったから。取捨選択さえできるようになれば、まだまだ利用価値はあるわ。
まぁ、拾った最初は警戒も警戒されまくったわ。けど、今では主従関係にまでなった。ただ、前と同じように無茶をするところは残っている。これはアヴリールが一緒にいれば抑えられるのだけど。口ではすごく面倒だと言いながらもすっごくアヴリールを大事にしているキバチ。きっと恋とか愛とかで語れるものじゃないのだと思う。
「……わかった。あんたがいうなら仕方がない」
「えぇ、仕方がないでいいわ。よろしくね」
「ああ」
私が調べて欲しいといったところの情報をキバチに渡せば、すぐに彼は影に消えていった。彼が情報を得てくるまで数日といったところかしら。
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今日はちょっと短め。明日はちょっと長めになるかもしれない。ならないかもしれない。睡魔との戦い次第。
また、今日は小話ではなくて登場人物の整理を少し。
ギー
ジラルディエール家の執事長。祖父の代からお勤め。
ナタン・ガリマール
ローズの商会の会長代理。代理と言っているが表では会長として扱われている。ノサップの父親。
ノサップ・ガリマール
ナタンの息子。現在、少し反抗期。
キバチ
ローズの影。主に情報収集を手掛ける。固有スキルは影に潜むこと。アヴリールとはある意味ニコイチ。
アヴリール
キバチのストッパー。言葉が喋れないため、主に発言は「むー」や「うー」。現在はローズの教育もあって文字での意思疎通が可能。なお、キバチは普通に会話をする。







