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えいえんの世界

作者: 秋葉竹


  


夜の星たちが

回っているのではない



ただ

逃げることだけは

ダメだからと

ちゃんと生きてみた


でも死ぬために生きているという

咳き込むほどのほんとうも

自然と知ってる


そうではない


夜の星たちが

回っているのではない


回っているのは

私たち地球のほうなんだ


けっして

死ぬために生きているのではない

生きて

いずれ

忘れられない悲しみや

さみしさに覆われた意識が

消えてなくなるだけだ


灰色の不幸とかもそう

みんなみんな

消えてくれるんだ



憶えているのは


手に残る

あのやわらかな胸のあたたかさとか


濡れた瞳の

むらさきいろに輝く美しさとか


なにも

どこにも

どうにもならないことなんて

ないという

痛む傷みたいな真っ赤な嘘も

その胸の裡にしまい込み


ただ息をして

時が過ぎゆくのを待つ

だけではないんだ


首から

崩れおちそうになる

ごていねいな絶望も

小さなナイフで切り刻んで

こまかいキラキラの光に

変えてしまおう


夜空の月は

世界が眠るまで

闇を照らすやさしい光を

サラサラと

降らせつづけてくれている


この

明けない闇に覆われた世界を


ひとりでも

幸せになれるほどの

生きぬく新しい純粋な希望も

同じように煌いてくれるなら


それは

とても貴い想いだと想うんだ

だからこそだから

生きて

ゆくことにうなずくんだと

誓うんだ








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