ルイン

言葉と世界

　そのヒトはずっとこの森（モリ）にいた。

　色（イロ）々と教（オシ）えてくれた。

　ワタシの耳（コエ）は声（コエ）が分（ワ）からないことをあのヒトが知（シ）ると、地面（ジメン）に枝（エダ）で何（ナニ）か彫（ホ）り出（ダ）した。

　そして、手（テ）に持（モ）っている枝（エダ）を見（ミ）せる。

　枝（エダ）ってこう表（アラワ）すんだね。

　他（ホカ）にも色（イロ）んな物（モノ）の表（アラワ）し方（カタ）をあのヒトは教（オシ）えてくれた。

　名前（ナマエ）？

　ト.....カ。

　見（ミ）ても分（ワ）からないけど、花（ハナ）の表（アラワ）し方（カタ）がある。

　ハナちゃんでいいかな？

　ハナちゃんは、ある日（ヒ）ワタシと一緒（イッショ）に行（イ）きたい場所（バショ）があるって言（イ）った。

　うん、本当（ホントウ）は、あまり何（ナニ）言（イ）っているのか見（ミ）ても分（ワ）からなかったんだけど、いいかなと思（オモ）った。