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A戦場へようこそ。  作者: 三方カケル
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怪しいバイト

30歳ニート。いつまでも親のすねを齧っている人間にもプライドはある。

生活費はもらうけど、自分の趣味のためのお金をくねんしてほしいとは言いずらい。

どこかに割のいいバイトはないかと探していると、悪友の紹介で少し怪しいバイトをすることになった。

そのバイトは至って簡単。

悪友から小さな箱を受け取り、それを別の人に渡す。

ただそれだけのバイト。

ただし中を開けてはならない。

初めはビクビクしていたが、その箱を持っているのは30分程度で、悪友はともかく次の人はとても普通な人だったので次第に気にしなくなった。

もちろんその箱を持っている途中に変なことが起きたりだとか、バイトを始めてから体調が悪くなったとかそんなこともなく、いたって平凡な毎日が繰り返された。

日給はすこぶるよかったので何度も何度もやっていると、次の人と仲良くなり食事をすることになった。

話を聞くと、その人は霊感体質らしく、このバイトの目的をある程度理解しているのだと言う。

「呪いを運んでいるのさ。」

その人は言った。

「人を呪わば穴二つ。呪いはそれ相応の覚悟を持って扱わなければならない。たまにいるんだよ。こういう覚悟のないやつが。人をたくさん経由すれば自分の罪は軽くなると思ってんのさ。馬鹿だね、そんな訳ないのに。」

話によると、呪いの方法は完璧だがその代償を免れる方法はまったくの不正解らしい。

ようは、このバイトの報酬を払っているやつは呪いの代償を俺たちに払ってもらおうと思っているが、不正解なので俺たちには全く害はなく、結局呪いをかけたやつが代償を払うことになるのだそう。

全く無意味なバイトなのだ。

「そうとは気づかず高い報酬を払い続ける馬鹿なやつ、くくっ、とても笑えるよね。」

それからは安全だと分かったバイトでかなり稼いで、そしてバイトはある日突然終わりを迎えた。

「さて、呪いが成就したのか貯金がなくなったのか、はたまた呪いに失敗して代償だけを受けたのか。」

どれだと思う?

家に帰ると母親が居間で恐ろしい形相で死んでいた。

さて、どっちなんだろう?

俺は怖くて今日も部屋を出れないでいる。

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