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5.平穏な時間

5.平穏な時間


ストレチャーに乗せられた安野 丈 は看護師長の岡と救急隊によって検査と手当ての為、院内の奥へと消えて行った。

伊井 香 はロビーの横に有る待合室で待つように言われ待合室を探して病院の中を10分ぐらい歩いて、やっと見付けた。

病院は大きく旧館、新館、別館と分かれていて通常の診察用などの出入口と救急用の出入口と入院患者のお見舞い用の出入口が有るため病院内で伊井 香 は迷子になっていたのだ。

やっと待合室に腰を掛けてホッとした所へ誰かが伊井 香 に近付いて来た。

伊井 香 は、まさか自分に用があるとは思っていなかったので気にしていなかった。

そんな伊井 香 の所で立ち止まった人物は伊井 香 の顔を覗き込むようにしてジロジロと見た!

伊井 香 は、また変質者?と思って、その立ち止まっている人を見上げた…

キレイな女性だった。

若くてスタイル抜群の女性だった。

伊井 香 は病院などに知り合いは居ないし、こんなキレイな女性の友達も居ないので人違いだと思た。


女性

「香さん、お元気そうね。」


「えっ!?私?」


伊井 香 は再びキレイな女性を見た!

しかし見覚えが全くない…


香(誰?誰なの?私の事を知ってるのよね!?)


伊井 香 はキレイな女性を見ながら心の中で呟いた。


女性

「誰?誰なの、って?アナタの事は知ってるわ!伊井 香 さん。私の事は忘れたの?ウフフッ。」


そのキレイな女性は伊井 香 の心を読んだかのように伊井 香 が心の中で呟いた言葉を繰り返した。


「アナタ…私の心の中を読んだの!?」


女性

「ここの病院は何て言う病院か知ってる?

大賀根病院!ウフフッ。」


伊井 香 は思わず立ち上がった!

周りを見渡し…病院の案内板を見た。

そこには

「大賀根総合病院」と書かれてあった。

そして伊井 香 はキレイな女性を再び見た!


「えっ!?…えっ〜アナタ、女神?大賀根 望代…さん!?」


望代

「やっと分かってくれたのね。嬉しいわ。ウフフッ。私は、ここの病院の理事長よ。」


「えっ!アナタが?望代さんが、ここの病院の理事長!?」


望代

「そんなに驚かなくても。ここでは何だから私の部屋へ行きましょう。

そうそう、先っき看護師長の岡にも会ったでしょ。」


「はい。岡 絵理さんに会いました。」


望代

「絵理も香さんに会えて喜んでいたわ。」


2人は歩きながら理事長室へ入って行った。


望代

「まぁ、そこに座って。」


高そうなソファーを指差され言われるままに伊井 香 は腰を掛けた。


望代

「爆弾魔の事件は本当に大変だったわね…ご苦労様。

それに安野さんがケガをしてしまって…でも、どうして時間を戻さなかったの?時間を戻せば安野さんはケガをしてなかったのに…」


「えぇ…そう思ったんですけど…でも、どうしても、あの犯人が許せなくて!それに安野さんから2人きりで食事に誘われていたから時間を戻すと、また食事に誘って貰えるか心配で…」


望代

「ウフフッ。香さんは小心者ね。」


伊井 香 は恥ずかしそうに俯いていた。


「まだ望代さんには能力が有るんですね。」


望代

「あの時ほどじゃないわ。少しだけよ。

ところで、香さんのお父さんの名前を教えて欲しいんだけど。」


「父ですか?私の父は伊井(イイ) 嘉源(カゲン)ですけど…」


望代

「伊井 嘉源さん…やっぱり!

香さん。あなたのお父さんは今ウチの病院で入院しているわ。」


「えっ!?お父さんが生きてる?」


望代

「ええ、そうなの。生きてるわ。でも…植物状態なんだけど…とにかく案内するわ。ついてきて」


そう言うと大賀根 望代は病院の最上階の角の部屋へと案内した。




つづく


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