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3.最後の戦い

3.最後の戦い


女神

「アッ…アッ…顔が…顔…わ、私の美しい顔が…」


「心が醜いと思ったらアナタ、顔も醜かったのね。」


女神

「あ、アナタに、最初に会った時、何だか凄く怖かった。まさかアナタが、こんな能力を秘めていたなんて…考えもしなかったわ。しかも私の切り札である時間を止める能力の中で動けるだなんて。」


「能力なんて、そんなの私には分からないわ。ただ安野さんは連れて行かせないわ。」


女神

「 丈 は、もう普通じゃないわ。私の幻想で別の人格となっているのよ。たとえアナタに渡してあげたとしても正気には戻らないわよ。フフッ。」


「私は安野さんを必ず正気に戻してみせる。

それに醜いアナタなんかに優しく接してくれた(りん)さんまでも殺そうとするなんて、そんなの許せないわ!姉妹でしょ。」


女神

「そうね…優しくしてくれた絵理まで殺すなんてね…でも、もう遅いわ。時間が動き出すもの。」


「そんな事はさせないわ!」


女神

「無理よ。いくら、アナタが、この時間の中で動けても時間が動いたら誰にも止められやしないわ。もう時間が動くわ。」


しかし時間は動かなかった。

女神が時間を止められる能力の限界は、もう、とっくに過ぎている。

しかし時間は止まったままだ。


女神

「どうして?なんで時間が動かないの?…ま、まさか!?アナタが時間を止めているの?そ、そんな…私以外に時間を止められる人が居るなんて…」


更に風が強く吹いてきて伊井 香 の髪が乱れ舞った。

突風が女神を飛ばした!

伊井 香 は安野 丈 へ駆け寄り安野 丈 を抱きしめた。


「お願い!正気に戻って安野さん。」


と言って安野 丈 に口づけをした!

伊井 香 にしては凄く大胆な行動だった!

いつも、おとなしく奥手で引っ込み思案なのに、安野 丈 にたいする一途な想いが伊井 香 を動かしたのだ。

伊井 香 と安野 丈 の二人は光に包まれた。

その時、時間が動き出した。

いや、違う!時間が動き出したと言うのではない。

時間が戻り始めたのだ!


女神

「な、なに!?なにをしているの!?」


女神は狼狽していた。


伊井 香 は安野 丈 を強く抱きしめて口づけをしたままでいた。

時間は、どんどん過去へと戻って行く。

時間は、ようやく戻るのを止めた。

そこには小学6年生の大賀根 望代(女神)が居た。

大賀根病院の院長室で一人、遊んでいる。

そこへ望代のお父さんと母親と橋本 亘と安野 丈 の父親の4人が入って来た。

ガンの新薬の契約をする為に入って来たのだ。


そう!あの時の事件の始まりの日に時間は戻ったのだ。

そして今、望代のお父さんが目の前で契約書にサインをしようとしている。

その時、風が吹いた!

院長室は窓もドアも締め切っていて風なんて入って来るはずがない。なのに風が吹き契約書を舞い上げた。

契約書は隠れていた望代の所に落ちた来た。


望代

「契約なんてしちゃダメ!」


隠れていた望代は4人の前に出て来て契約書をビリビリに破いた!

4人はア然としていた。


望代

「ダメって言ったらダメなの!」


そう言って橋本 亘と安野 丈 の父親を強引にドアの外へ追い出した!

望代のお父さんと、お母さんは望代の行動にビックリしていたが、望代の迫力に押し切られ契約は白紙に戻し橋本 亘と安野 丈 の父親を帰した。

その三日後、橋本 亘と安野 丈 の父親は詐欺罪で捕まった。

橋本 亘と安野 丈 の父親を逮捕したのは若い頃の轟刑部だった。

轟刑部の初逮捕だった。



そして再び時間が動き出し気づくと現在の月曜日の朝を迎えようとしていた。




つづく


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