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ソラとシロ  作者: なたでここ
9/12

休憩

秘境とも言われた街から遠く離れたところに木々に隠されて道具の力なしではとてもじゃないが超えられない岩山を超えた先に、隠れた温泉が人知れず存在していた。

商人のキャラバン隊に噂を聞き、この地に誘われた。

道中、魔物に襲われるもソラとシロを相手では逃げ出すほど力の差がでていた。魔物は温泉を守護するかのように順に襲ってきたが、返り討ちにし、魔物は次第に遠くから睨みつけるだけで終わった。


岩山を魔法で越え、通り抜けるとそこには太陽の光が木々の隙間からスポットライトのように照らし出され、青々とした透き通った泉が広がっている。泉から湯気が湧いており、そこが温泉だということは察した。

「温泉だー!」

ソラがはしゃぎ、シロは胸をなでおろした。

商人の噂はどこまでが信用できる話か知らない。そもそも人から伝わってくる噂話だ。どこかで尾が引いていてもおかしくはない。

「…たまげたなー」

息を吐き、シロは一緒に湯船に近づき、湯に手を入れ、温度を確かめる。

「熱ッ!」

棘を刺すような痛みが手に感じた。慌てて手を離し、湯船を見た。

温度が高い。普通に入っていたら確実に火傷をしていたところだろう。

「ぬるめるしないか…」

でも水で薄めてはせっかくの天然の温泉を傷つけてしまう。

それではここの利用者に申し訳無く思う。シロは周りを見たわした。泉の奥に木々と草木に隠れた溝のようなものを見つける。

そこは、泉の湯を調整する機材が設置されていた。すっかりと錆びついており、電気となるチューブもないことからかなり放置されていたようだ。

「ソラ、手伝ってくれ」

「りょうかーい」

機材から機械へと元に戻すべく、復元魔法をソラに使ってもらい、シロは周囲に人が入らないよう結界の魔法を放った。誰かを遠ざける魔法ではなく誰かが入ればわかるという魔法だ。

これなら、問題事が起きずに済むだろうと考えてのことだった。

日が傾き、一時間ほど経った頃だろう、「できたぞー」とソラができたと伝えた。錆付いていた機材という部品だけだったものは見事に復元なしえていた。

ゴーという音を立てながら、湯船の温度の調整に働きかけた。

「これで、入れるな」

「やったー!」


水着を着用し、湯船に浸かった。すっかりとややぬるま湯になってしまったが、機械の活躍のおかげでゆったりと浸かることができた。


「気持ちよかったな」

「ああ、温もった」

岩山を超え、元に道に戻ると、一人の青年が立っていた。

聞けば、泉の機械が壊れていたという話を旅人に聞き、これから直しに行くところだったらしい。

「相棒を待っていたんだが、今日来れなくて困っていたんだ」

「それだったら、直しておいたよ」

「本当か!?」

「嘘だと思ったら見てくるといいよ」

「わかった。あ、そうだ。これやっておくよ」

名前が書かれた手帳のようなものだ。

「これは?」

「これをもって、道具屋によっていってくれ。俺が紹介したと話せばきっと、役に立つはずだよ」

「ありがとう」

青年と別れて、彼らは相棒がいるとされる次の街へ向かって旅を続けた。

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