5.盗賊が出た
王都向けての旅の途中だが何かあったようで団長他数名の騎士で話中だ。
それから馬車に戻って来た。
「すまない、寄り道することになった。」
「いえ、気にしないでください。」
「盗賊がでたようだ、そこへ向かう。」
「私のことは気にしないでください自分の身は守れます。」
「君はたくましいな。」
「森でもひとりで生きてましたから。
ちなみに私のところへ来た場合は対処してもいいですよね。」
「もちろんかまわない、相手は盗賊だから。」
「念のための確認です。」
「君は馬車で待機しててくれ。」
「はい、そうします。」
「近くだからもうすぐ着く、鉢合わせの可能性は高い。」
しばらくして到着したが盗賊は直前に徒歩で森へ逃げたようで騎士団は馬車と5名を残し後を追った。
襲われた商隊の護衛には怪我人がでて無事な人たちが手当てをしていた。
「こりゃ騎士団に借りを返す機会かな。いろいろ世話になりそうだしな。」
怪我人のなかで重症な人がいたので声をかけてみた。
「えーと治療してもいいですか?」
「お嬢さんこの人はお腹を切られて重症だ。」
「ええそのようですね、だから治療をさせて下さい。」
うわー血がどくどく流れている、やべー。
「わかったやってみろ。」
『ヒール』
ぼんやりと光って血が止まった。
「血は止まったみたい。どうかな?」
「信じられない、君は治療師なのか。」
「人を治療したのは初めてです。」
「どっちでもいい他の怪我人も頼む。」
「ええもちろん、次は誰かな。」
「この人を頼む。」
「はーい。」
そうして次々と治療していった。
そして俺の周りにみんなが集まって口々に感謝の言葉を述べた。
「奇跡だ、王都に行けば治療師はいるがここで治療を受けられるなんて。」
「ああ俺たちは運がいい。」
「終わったかな、馬車に戻りますうろうろしてたら団長に怒られそう。」
「君は騎士団の人間か?」
「えーと騎士団にお世話になってる者です。それじゃ戻ります。」
それから1時間程過ぎてから騎士団は戻って来た。
交戦したようだがさすがに騎士団に怪我人はいなかった。
そして7人殺し3人捕まえて戻ってきた。何人かは取り逃がしたようだ。
結果は上々だが数名取り逃がしたのをくやしがっていた。
事情聴取もあるのでこの場で野営することになった。
そして夕食時、商隊のほうは酒は飲んでないのに宴会のようだ。
最大の危機を無事に乗り切ったのだから自然な流れだ。
口々に生きていることに感謝しているようなことを言い、
奇襲され数的にも不利な状況で逃げずに戦った護衛を誉めていた。
「盗賊ごとき相手に逃げて冒険者をやれる訳がない、俺達は魔物相手に戦ってるんだからな。」
「そうだそうだ。」
◇
「団長、彼女すごいですね。」
「ああ、王都でも治療師は数えるほどしかいないからな。
王宮にもひとりいるが後継者がいない。」
「王都に連れて言ったら上が目の色かえそうですね。」
「彼女の扱いについて考えないといかんな。」
「争奪戦になりそうですか?」
「その前に騎士団にきてくれたらいいんだが。彼女に相談してみるか。
今の状況をわかってないだろうからな。」
◇
「ルーメル様お疲れ様です。聴取は終わったんですね。」
「ああ、終わった。君も活躍したそうじゃないか。」
「いえ、そんな、お世話になってるので。」
「驚いたよ、君にそんな能力があったなんて。
とにかく助かった礼を言う。」
「はい。」
「話は変わるが君は治療師がどういうものか知ってるか?」
「えっと治療をする人?」
「まあそれで間違ってないが、王都にも数える程しかいなくてね。
それで引く手あまたなんだ。このまま君が王都に着いたら争奪戦になるだろう。
教会は信者獲得と権威向上のために君を聖女に祭り上げようとする。」
「うわっそれは遠慮します。」
「商人や貴族は金もうけとその血統を欲しがって妾にしようとする。」
「それも遠慮したいです。」
「とまあいろんな連中が狙って来る。」
「面倒なことになりそうだと?」
「そういうことだね。」
「どうしましょう。」
「そこで提案なんだが、騎士団に所属すればわれわれが保護できる。」
「それしかなさそうですね、お世話になります。」
騎士団はかっこいいが自由がなくなってしまった。
でもいいか『ヒール』するだけの簡単なお仕事ですって感じか。
「われわれの保護も完璧ではない国に仕える身だ上からのことは
君自身がキッパリと断るなりの対応が必要だ。」
「はい、わかりました。」
「上の許可が必要だが今は仮入団としよう。聞かれたら第三騎士団の所属だと言うように。」
「はい。」
「心配しなくていい、治療師に現場で戦えとか誰も言わないから。
それと外での単独行動は禁止だ、誘拐の危険があるから護衛をつける。」
「私は城にこもるより現場に出るほうが好きなんです。遠征の時は連れて行ってください。」
「考えておこう。」
◇
「聞いたよー騎士団に入ったんだって?」
「はい、ベンテンス様。」
「ニールでいいよ。騎士団の事なら何でも聞いて。」
「はい、ニール様、これからいといろ教えて下さい。」
「このニール様が手とり足取り何でも教えちゃうよ。」
くっこのセクハラモブが調子に乗りやがって、
おっぱいを凝視するのはやめろっていかん笑顔笑顔。
「ニール様、騎士団の任務について教えてください。」
「第一騎士団は王宮と王族、第二騎士団は王都、第三騎士団は王都の外が担当だよ。」
「王都の外ですか。」第一騎士団に移れとか言われそうだな。
「そう、だから遠征が多いんだ、でもずっとじゃないし次は副団長と待機組が行くはず。
内容は街道の巡回、犯罪の取り締まり、魔物の討伐とかだね。
今別の組が反対方面にも巡回しているよ。」
「騎士団は城の中に拠点があるんですか?」
「詰所と訓練場と寮が拠点として城の隣にあるけど女性の騎士はいないから、
その辺は団長が考えてくれるでしょ。」
「住むところはまだわからないか。」
「たぶん城内かな、団長に聞いてみて。」
「はい、ありがとうございます。」
ニールはセクハラモブだが団長が頼りにする位には剣の腕は確からしい。
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