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20.夢の中

閑話休題。

「俺が1番だ。」

「いや俺が先だ。」


 目の前には目が血走った男達、ヤバイ回される人生最大の危機。

 何故こんな事になったのか。

 そうだ、あれは。



 宰相から頼み事があるとの事で呼び出された。


「王都の学院で女性が何か被害にあったようなんだが。」

「何かと言うと?」

「それが分からんのだ。

 当の女性が口をつぐんでおる。」

「はあ。」

「そこで君に調べてもらいたい。」

「私に? 捜査を? 専門外ですが。」

「他に適任者がおらんのだ。」

「はあ、仕方ないですね、やってみましょう。」


 学院か、私が生徒で通るのか?

 行って見てダメなら帰ろう。



 王都の学院


「きたきたー。なかなかいい感じの女が入って来たぞ。」

「やあねー、あいつらまた狙ってるんじゃ、変態どもが。」


「やあ君、新人さんだね。」

「はい。」

「名前は。」

「エレーヌと申します。」

「君があれを持つと似合いそうだ。」

「あれと言うと?」

「実はね新人さんは強制参加のイベントがあってね。」

「そんなのがありましたか? 入学の説明では聞いてませんが。」

「ああ、これは生徒で決めた事だから。」

「そうなんですか。」

「夕方、大ホールへきたまえ。」

「はい。」


 普通なら避けるべきだが捜査の為に参加を決めた。



 夕方、大ホールへきてみると何人か男子生徒が集まっていた。


「やあ、待ってたよ、女王様。」

「は? 女王様?」

「まだ揃ってないから少し待ってくれたまえ。」


 暫くしたら集まった男子生徒が10人以上になった。

 なんか多いな、やばそうだが捜査の為様子を見よう。


「さて諸君、集まったようだから始めよう。」


 集まった男達の目が血走ってる。やばそう。


「俺が1番だ。」

「いや俺が先だ。」


 目の前には目が血走った男達、ヤバイ回される人生最大の危機。


「落ち着きたまえ諸君。」

「まずはプレゼントだ。これを受取りたまえ。」


 ムチを渡された。


「おー似合う、女王様だ。」

「女王様?」

「われわれは女王様を崇めるグループを結成したのだ。

 そして女王様を求めている。」

「へっ変態?」

「違うぞ新たなる女性像を求めてるんだ。」

「いやだだの変態じゃん。」

「おーその目つき、ゴミを見るような目、まさに理想の女性。」

「うわっ気持ち悪っ。」寒気がしてきた。

「女王様、さー、そのムチで、さー。」

「近寄るな。」バシッ。

「いい。最高だ。」

「気持ち悪っ。だから近寄るなっ。」バシッ。

「あー。」


 男達の目がおかしい。


「うわっ最悪、寒気がしてきた。」



 王都にあるルーメル男爵家

 第二騎士団団長アレン・ルーメルの妹とエレーヌの会話


「へんたい?」

「そうでっしょう? 寒気がするでしょ。」

「いや、あなたの事よ。」

「えっ私?、だって何か面白い話をしろっていうから。

 普段の出来事は話せない事が多くて。」

「だからってその話?」

「さっき夢の話がどうとか言ってました。」

「将来の夢の話よ、変な夢の話じゃなくて。」

「違いましたか。」

「やっぱりお兄ちゃんはあげられないわ。」

 内容は外してしまったが若い女性とのガールズトークは新鮮でいい。



 帰りの馬車の中


「妹と何の話をしたの?」

「それは女性同士の会話なので。」

「妹も黙ってるんだよな。」


 そりゃそうだ、私も男相手には話さない。


「女性には秘密が多いんです。聞くのは野暮ってものですよ。」

「そういうものか。」

「そういうものです。」

「話は変わるけどもうすぐ遠征があるけど同行するかい?」

「ええ行きます。」

「あれですよね、ニール様が張り切って準備している作戦。」

「そうなんだよ、ニールが張り切ってるんだ。」

「上手くいくといいですね。」



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