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マジカルD ~異世界でも横滑り~  作者: 咲舞佳
第一章 マジカルレーサー養成学校入試編
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第二話 転生前の記憶


ストーリに関係ないうんちくをマコトの独り言にまとめました。


マコトの独り言に追記しました。

誤字脱字を修正しました。

  俺が8歳のときに我が家にもとうとう魔導車がやってきた。父親も初めて買った魔導車で嬉しそうだった。隣に住むヨーコも初めてうちに来た魔導車を見に遊びに来ていた。



「マコトんちいいなー。まどうしゃいいなー。」



と羨ましがっていたのを覚えている。その後ヨーコの家にも魔導車が来たのだが。かつては高嶺の花(というか高値?)だった魔導車も一家に一台という時代になってきている。


俺も物心ついたころからあこがれまち続けていた。小さいの頃の口癖は「お父さん、うちにはまどうしゃいつくるのー?」だった。


このあたりも昭和の家族の会話みたいだと思う。



 他人に前世の記憶が蘇った、なんて話をすると妄想癖があるとかよくて白昼夢でも見たのだと言われてしまうだろう。


実際にヨーコに話したことがある。



「俺、前世の記憶があるんだ。」


「は?何言ってるの?寝ぼけるのもたいがいにしなさいよ。」



と、一蹴された。


しかし、妄想でも白昼夢でもないとわかるほど衝撃的に鮮明に蘇ったのだ。



 待ちに待った魔導車の運転席に座らせてもらったときのことだ。ステアリングを握ってみた瞬間電流が流れたような衝撃が走った。


さっき衝撃的って言ったけど本当に文字通り衝撃だった。本当に12Vバッテリーで感電したようなショックだったからだ。


前世の記憶が12Vバッテリー感電の衝撃(感電はしてないけど)とともに唐突に蘇ったわけだそれこそ走馬灯のように。


当時の年齢ではそんな言葉は知らなかったけど今思えばこの言葉がとてもしっくりくる。生きているときに走馬灯を見るとは思いもよらなかった。


まあ、今まで生きてきた思い出ではなく前の世界の記憶だけれども。



 俺の前世はこれといって特徴のないサラリーマンだったようだ。ただ、自動車が好きだった。それこそ毎月サーキットに走りに行くくらいに。


会社に入って生まれて初めて自動車を買ってから死ぬまでの18年間ずっと車で走り続けたといっていいと思う。


 

 そう、死ぬまで。俺は40歳で自動車の事故で死んだらしい。事故で意識が途切れて以降の記憶がないからだ。


人生の約半分を自動車に費やし文字通り自動車で死んだと言っていい。


初めて買った自動車でジムカーナから始め、タイムアタックなどもやったが中でもドリフトにはまった。


それこそサーキットで何百本のタイヤを使いつぶし何千リッターものガソリンを使い数えきれないほどのスピンをした。


サーキットでの走行時間は何百時間にも及んでいる。

そのかいがあって車のスライドコントロール技術が体に染みつくほど身についていた。



 例えば、サーキットで友人が助手席に乗っているときコーナーでサイドブレーキを冗談で突然かけられたときがあった。


そのときもステアリングコントロールでスピンさせずに停止させることができたほどだった。


サーキットにおける何百回もの反復練習スピンともいうのおかげで勝手に体が動くレベルになっていた。


しかし友人の行為は一般道路でやろうものなら事故を起こしかねない、冗談では済まない行為であったから絶対に危険なので真似してはいけない。



 実をいうとフォーミュラレース経験もあったりする。社会人になってから挑戦した。当時プロドリフトも始まっておりフォーミュラレースとどっちをやるか迷った。


レースでご飯が食べれるくらいになりたい!と思った俺はご飯が食べれるほどプロドリフト自体がまだメジャーではなかったため、フォーミュラレースをやることに決めたのだった。


フォーミュラレースでスカラシップをとっていけば国内最高峰のGTレースに出るという道が開けたからだ。



 しかし、フォーミュラレースで俺のレーサーとしての芽は出なかった。というかお金が続かなかったのだ。


働いたお金でレース資金を捻出したのだけど、1年間で新車のスポーツカーが買える金額が必要で一介のサラリーマンに続けられる金額ではなかったからだ。



 レースはお金を持っている人がするもの、それが前の世界での常識だったりする。だけどフォーミュラカーでもドリフトできるほどコントロール技術が身についた。


MR(ミッドシップエンジンリヤ駆動)車でドリフトするのは難しい。何故なら後ろに重り(エンジン)があるのでテールスライドを起こした時スピンしやすいからだ。


詳しくはまたの機会にするとして、レースの経験はそれだけのお金を支払っただけはある貴重な対価だと転生後の今でも思っている。



 自動車で走り始めたころは一緒に走る仲間がいた。その仲間も歳をとるにつれて結婚や年齢を理由に一人、また一人と走るのをやめていった。


しかし俺は一人になっても走るのをやめなかった。

車は一生ものの趣味だと思っていたから。それぐらい自動車が好きだった。



 そして40歳を過ぎたころ一般道で突然対向車線からはみ出してきたトラックを避けようとして電信柱に衝突し人生を終えた。


それだけの技術があれば避けられるのでは?と思うかもしれない。だが、中央車線をはみ出したトラックをかわすには電信柱にステアリングを切るしかなかった。


乗っていた車も悪かった。漫画でも流行った古い車に乗っており衝突安全装置が何一つついていなかったのだ。



 そんな記憶が当時8歳の俺に12Vバッテリー感電の衝撃とともに一気に流れ込んできたわけだ。いきなりびくっ!とした俺に父親もびっくりして声をかけた。



「どうした!?」


「これは...自動車...?」


「ジドウシャ?呂律がまわってないぞ、大丈夫か?」



どうやら父親は俺が衝撃で魔導車と言い間違えたと思ったらしい。ジドウシャとマドウシャは一字違いだから。


ヨーコも何事かと心配そうに見てたっけ。



 そして普通ステアリング(木製だった)で感電したりはしないしそんな一瞬で白昼夢を見たり妄想したりできない。


走馬灯と思うほど一瞬だったのだからこれは前世の記憶だと思った。しかもこことは違う世界の。


異世界転生という話もその前世の記憶によるものだ。それでもいきなりのことで混乱はしたが納得もした。


物心ついたときから何故あれほど魔導車に心奪われたのか。前の世界の記憶に影響を受けていたのが理由だった。



 ちなみに記憶が蘇ったけれどもそれは40年分の記憶が追加された状態であり、今の俺は40歳から16年生きて56歳のいわゆる精神年齢というわけではないと思う。


生まれたときから前の世界の記憶があれば56歳の精神年齢になっているだろうが、8歳まで全く前の世界の記憶がないまま生きてきたので8歳のときの俺に40年分の記憶が追加された感じだ。


記憶が蘇ったからといっていきなり別人格になるわけではないものらしい。



そんな転生したらしい、魔導車に飛び込みたくなるほど(飛び乗りたいのだが)好きな俺が目指しているのが国で一番人気の競技、マジカルレースのレーサーだ。





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マコトの独り言



〇12Vバッテリーの感電について


 12Vバッテリーの感電を例えるなら冬に車のドアを開けようとドアノブに触ったときに静電気でバチッ!ときたことがあるという人はいると思うが、その数倍ぐらいの衝撃と言えば分かってもらえるだろうか。


もし体験したい人がいるなら12Vバッテリーで感電せずとも試す方法があるよ。ホームセンターなどで売っているラケット型の電池を入れるハエ叩きを知ってる?


スイッチ押すと金属のメッシュ部分に電気が流れるやつ。あれを触ってみるといいよ。同じくらいの衝撃だから。もちろん前の世界で両方体験した。びりッ! というよりバシっ! ってくるから。ほんとびっくりした。



〇前の世界で知人にサイドブレーキ引かれたときのこと

 

 前の世界のときサーキットで友人がサイドブレーキ引いたとき、そのときステアリングだけでなくてアクセルコントロールもしていたんだけどね。


サイドブレーキをかけられていたことで後輪がロックしアクセル踏んでも後輪が駆動しなかったから停止したわけだ。


アクセル踏んでも反応しないからおかしいとおもったんだけれども。単にスリップしただけならそのまま走り抜けたと思う。



〇前の世界のプロドリフトについて

 

 プロドリフトだが40歳で死んだ当時では国際自動車連盟に競技として認められるほどになったいた。国際自動車連盟とはF1をはじめ世界中のいろんなレースを主催しているところだ。



〇車に夢中になるのはどの世界の男の子も同じということ


 俺が前の世界の自動車好きが影響をこの世界でも受けているとは思うものの車というものはいつの時代も男の子が夢中になるものではあると思う。


ミニカーにはじまり、ミニ四駆だったりラジコンであったり。自転車だってタイヤがついている車、二輪車だし。


男の子は大抵これらのものに夢中になる。自転車で競争なんて男の子ならどこの世界でも誰でもやることだと思う。


前の世界ではミニ四駆の第3次ブームが来ていたりしたし、ラジコンはドリフトブームだった。

ミニ四駆もラジコンも大の大人がよくはまっていたものだ。


子供よりも大人のほうがお金も知識も技術ももっているので子供が敵うはずもない。子供からすれば卑怯と思えるほどだろう。


加工するのに専門の工具やそれこそ専用の作業場すら持っているのだから。もちろん自動車そのものを趣味にする人も多い。


子供から大人まで夢中になるのが車なのだと思う。というかいくつになっても男の子は男の子なのだろう。


まあ、女性からすればそんなお金のかかる趣味をもつ男性と結婚すると苦労するかもしれないのだけれども。



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