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一富士二鷹三祭?!

作者: 山本重国

年末年始に二作品コラボの短編小説を書いて見ました。話を理解するためにも僕が投稿している二作品の1話まで読んでいただけるとより話がわかると思います。


いろんなことに手を出して他の更新が遅れてしまい申し訳ありません。



A.D. 2030・1・1


朝目が覚めると、いつものように布団に包まってぬくぬくと寝ていた。頭までいつも包まっているので、中ら外は見えない、むしろ自室なら見る必要がない。


「うん。そのはずだったのに」


いざ顔を出して見ると、見たことのないホテルのスイートルームのキングベットで独りお泊まりしていた。


「いや、ここどこだよ」


と1人虚しい嘆きを大声でやるものだから部屋に響く


「どんだけひろいんだよ!」


と言いつつ、お気に入りの麒麟柄の布団からゆっくりとでて、ボサボサの頭を掻きながら場所もわからない洗面台に向かう。

趣味の悪い全身白と黒のボーダーのパジャマで歩く様は昨日ようやく出所して来た金持ち高校生のようだ。


「そういえば、今日何日だっけ。」


と手首についている黒模様の政宗必須アイテム、タイムリーダーを凝視してみると。


「まただぁ」


と右手を額に当ててそのまま上を向いて立ち尽くした。最近よくある、朝起きると違う時代にタイムトラベルしていうことが。


前に起きた時は織田信長さんと添い寝をしていたことがあった。


「あっどうも佐々木って言います。」


「何奴。御主儂の横で寝るなど大胆な行動するではないか」


無防備な俺を見て信長さんは警戒することがなかった。


「いやこれは不可抗力というかなんというか、タイムトラベルというか」


「佐々木。何を言っておる、とぅわいすとぅらべるとは何じゃ」


「それはアイドルグループですよ。タイムトラベルですよ未来から来ました。」


「そうか、合点がいったわ。道理でおかしな格好な訳だ」


白黒のボーダーは俺時代でもおかしい格好だが、(あいつ)が気に入ってるようだ、俺がいうのもなんだが服のセンスが歪んでいる。

しかし流石は時代の先を行く人間、未来から来たことに動揺しない。


そして2時間ほど経って


「ほうほうそうか。佐々木もそのような乱世を生きておるのか」


「いや、織田さんも大変すね。」


意気投合してしまった。


その後、小・中学生がモンハンで今から狩に行く気分で今川義元との桶狭間の戦いに参加してしまった。

その結果、俺が大将の首を取ってしまった。

あの時は「とったどぉ!」とつい叫んでしまった。

些細ながら戦国時代を楽しんでしまったことに責任を感じている。


あの時は時代や場所の特定が早かったからすぐに帰れたが、今はおそらく地球。


今は、2030年はまだ、火星国家ができていない。


「じゃあ滅びる前の故郷に帰れんじゃん」


とか言うかもしれない、だがな俺は地球を全然知らない。非常にまずい状況だがどこか彼は冷静だった。


「いや、まぁ予感はしたんだ」


振り返る事約3時間前 政宗の夢の中


夢の舞台は地球そして日本。政宗が昨夜寝た日時は2071年の大晦日。


目の前には、富士山があった。


「あっこの山は、新年初夢にみるといいと言われる富士山がじゃないか!」


"一富士二鷹三茄子" 誰しもが一度は聞いたことのある

縁起担ぎの格言である。夢で富士山・鷹・茄子の3つをみるといいことがあると言うものである。


「どこだ!鷹はどこだ!」


つい童心に戻り、2番目の生物を探し出した。


"ピュゥゥゥヒョロロロロロ"


上空に、大きな鷹が飛んでいた。つい油揚げをあげたくなる。



「一富士二鷹。次で最後だ!茄子!どこだ!」


あまりにも目を見開いて探すものだから、目が乾いてきた。そして右手で両目を擦り再び目を開くと、

政宗は地域の神社で行われる祭で道脇に並ぶ1つの綿菓子店先に立っていた。


「流石夢なんでもありかよ」


誰にツッコミを入れたかは謎だった。しばらくして初夢の事を思い出した。


「って俺の初夢どうなってんの?」


そして目が覚めて、今に至る。

こんなにも、夢の内容覚えている時は大体予知夢だ。


予知夢とは夢の中で未来に起こる事を観れるという珍しい現象である。だか政宗に些細な出来事だ。


「しかしなんだ一富士二鷹三祭()()ってこの時代にに来て俺は何をすればいいんだぁ!」


そう目的を見出していると、部屋に常備されている内線用のiPhoneが鳴った。それを取って緑色の通話のボタンをタップして本体を耳元に当てると、


「おはようございます。よく眠れましたか?

朝の朝食バイキング開始のお時間となりました。どうぞご利用ください。」


と少し美化されたSiriのような声のモーニングコールだった。そして付け足して


「部屋にある、パーカーは着て構いませんのでどうぞご利用ください。」


流石に囚人服(これで)で朝食に行くのはと思いパーカーを探し出した。


「焦っても仕方ない。3日くらいしたら帰れるだろう」


そうして、玄関のドアの近くあるクローゼットの中に赤い生地に白い文字で屍と書かれたパーカーを見つけた。


「これか、少し派手だがないよりはマシか」


政宗は誰もいないはずの部屋だが、警戒して脱衣所に走って向かいパーカーに着替えた。


そして、着た自分が映る鏡を見て


「なかなかいけるじゃん」


そう自分を痛々しく評価して、試しにフードをかぶると違和感に気がついた


「なんだこの頸のあたりにあるボタンは」


と興味本位でそれを押して見ると


"システム起動。楽な姿勢になってください"


と耳元から聞こえた


「なんですか?これは」


政宗は慌てて指示どうりににベットに横たわり楽な姿勢をとった。そして再びあの声が聞こえた


"ユーザー認証 新規ユーザー登録完了 佐々木政宗"


全くこんな機械使ったことがないのに、ユーザー登録されてるしどうなってんの、準備良すぎない?


"ようこそ。VRMMO版「死んでも死にきれない戦線」に只今年末年始イベント期間中となっております。どうぞお楽しみください。"


知らない言葉ばかりだが、一々気にしないようにしている政宗は驚きはしているものの混乱はしていないようだった。


目の前が白い閃光に覆われて、目を瞑った。

夢から目覚めるような心地で目を開くとそこは仮想世界だった。


「えぇぇ。すごい!」


語彙力がなくそんな感想しか出てこなかったが、とても驚いていた。しかも今は、年末年始イベント期間中で始まりの街的な場所はお祭りムード一色に染まっていた。


つい衝動で街を走り出した。先程時間が操れないことに気づきあの力から解放されたことでテンションMAXの政宗。


広がる新しい世界に感動する政宗は再び童心に戻った


「ヤベェこれ!」


そうして街角を曲がると勢いよく人と激突した。


「いったぁぁ!あっすいません。」


と体を30度位傾けて謝る政宗。


「本当すいません。お怪我ありませんか?」


相手も謝ってきた。ぶつかったのは、女の子だった。

しかも、14・15歳位の中学生ぽい子だった。

剣を持っていた。


「あのつかぬ事をお聞きしますが、この世界どういったものですか?」


唐突にものを尋ねられた為、かなり相手は動揺している


「えっ、あっ、そのぉ。これはゲームですが」


「ゲーム?」


どうしたものか。てっきりいい夢見の機械かと。


「って俺はなんの役割だ?」


「あなたはぁバーサークですね」


政宗の見た目は、バーサークにありがちなボロマントに筋肉質の体。たしかに政宗の役職はバーサークだった。


「バーサーク。なん強そうだなぁ」


だがこの状況は、なかなかに異常なものだった。

ぶつかった相手同士が地面に座ったまま対峙したまま会話していた。


次の瞬間、異常な光景に気づき立ち上がる政宗。

そして、紳士らしく手を彼女に差し伸べた。


「俺は佐々木政宗って言います。あなたは?」


彼の手を伝って立ち上がる女騎士。


「セイバー・ライムといいます。」


とお互いに名乗る。そして政宗は重要なことを思い出す。そうこの時代そしてここにきた理由。


一方ライムはも、いく場所があった。このイベント期間中にレベリングをしなければ次の回廊でBOSSに勝てなくなると危惧していた。


「あの、少しゲームのやり方を教えてもらってもよろしいですか?」


明らかに年下の女の子に敬語使うのは気が引けるが、今そんなことを言ってる暇ない。


「いいですよ。ちょうど私もいく場所があるので、そこで戦い方をレクチャーします」


ライムも1人だと不安だったので、誰かをパーティに誘うつもりだったので、承諾した。


──街の中央広場噴水前


「ここから、バトルフィールドに転移します。」


「なるほど。ありがとう」


移動中に何も話さなかった。自分のコミュ障に嘆く政宗。そうして、転移魔法陣の書かれた台の上にあがり


転移(トランス)正月参賀日鏡餅町(ニューイヤーラッシュ)


と叫んだ。そして青白い光に覆われて、この世界来た時のような感覚が再び神経を伝染した。


──正月参賀日鏡餅町


そこは真っ白い世界だった。雪ならばこれが綺麗な銀世界だったに違いない。

これは餅だ。少し柔らかい地面はとても歩きにくい。


ライムはここでレベリングしようとしていた。だから少し急ぎ足だった。


「佐々木さんいいですか?」


といいライムは腰の鞘から銀色に輝く刃身の剣を抜き出して、両手で握り戦闘の基本スタンツを構えた。

早速レクチャーが始まった。


「はい。わかりました!センセー」


政宗の武器は6本の短剣だった。片手の指の間に一本づつ挟んで片手に3本づつ持つスタイルだった。


「いいですか?このようにエネミーには種類があります。対単体型、対軍型の種類があります。このエネミーは対単体ですので、攻撃範囲はわたしだけになります。」


と突進してくる餅型モンスータの攻撃を受け止めながらレクチャーする。


「なるほど。となると対軍型は多くの人ということですね?」


「ざっくり言えばそういうことね」


「そして攻撃は、役職によって異なるけど剣を扱う役職は……」


そういい、モンスータを高速で切りつけるライム


「通常攻撃はこんな感じ。そして…」


次に強く踏み込んで切りつけた瞬間に剣が光を浴びてエネミーを真っ二つに切り倒した。エネミーは綺麗にバラバラになって消えていった。


「これが、セイバースキル。あなたの場合はバーサクスキルになるわね。じゃあやってみて」


と親切に教えてくれた。そして言われるがままにエナミーに斬りかかった。


「ハァァアッ!──────」


いきなりバーサクスキルを使い、ライムよりも高速の6本の短剣の剣戟で3体のエネミーを一掃した。

エネミーたちは全て粉砕して消滅した。


「こんな感じですか?」


「そ、そうね。」


覚えが良く素人とは思えない剣戟に圧倒された


「これなら、新年BOSSも倒せるんじゃない?」


とライムは俯いてボソボソと言った。


「なにかいいましたか?」


聞こえてないようだ、そして次のエネミーに飛びかかろうとする政宗。


「いいわ。どんどんいくわよ!」


───10分後 始まりの街


「いやぁ簡単でしたね?」


まさかこんなに早くコンプリートするとは。


「そうね。あなたこのゲーム本当に初めて?」


先ほどのBOSS戦。政宗が7割位ダメージを与えた、後に政宗の剣戟はバーサクスキルとして登録されるのだった。


流石に今日初めてやったとは思えない。


「初めてですよ。というよりもゲーム自体やったことなかったんですよ。それよりもあなたの方が凄かったですよね」


予想もしないだろう40年後世界で火星最強の男が目の前にいることなんて、政宗が剣を扱えたのは日々の戦闘からくるものだった。


「本当?すごいわね。いえいえ、私なんて」


すごい皮肉に聞こえるが飾らない所が憎めない。


「じゃあこれで。新年祭に参加できるわね」


「祭り?」


「えぇ。軍配品のひとつよ。」


ようやく政宗の目的が達成される。


日没後街の酒場でそれは催された。


"あぁそれでは新年祭に参加のみなさん今年もよろしくお願いします!乾杯!"


と音頭共に始まった。

シャンパンの栓を勢いよくあけて、かけるあったりして盛大に盛り上がった。

さすが正月の祭。料理は豪華な重箱に詰められているおせちや関西風味お雑煮をがあった。


外ではロケット花火がたくさん打ち上げられていた。


「佐々木くんお疲れ様」


「あ、ライムお疲れ様」


とライムは持っていたお雑煮の入った器を政宗はよくわからない飲み物の入った器で乾杯の仕草を交わした。


「もう今日は?落ちるの?」


「落ちる?あ、ゲーム終わることですね?はい。用事があるので」


「君。すごいいい戦士だからこれからも頑張ってね」


何気ないライムの一言だった。政宗は今まで無差別に人を殺したりすることがあったので自分に自信が持てなかった。いい戦士と言われたのは初めてだった。


「ありがとう。俺いい戦士なんかじゃない」


「そんなことないよ。政宗くん人を守るの上手いもん」


励ましだった。政宗は感極まり泣きそうになった。


「君とはまたどこかで会えそうな気がする」


何かを察したライムがそう告げた。


「そうだね。会えるといいね」


これで政宗は目的を達成した。


──ホテルの自室


眼が覚めると空腹感が凄かった。時間を見ると18時。


「おぉぉい!」


確かに仮想空間(あっち)ではあんなに食べた筈なのに…

即座にレストランに行った政宗。


「お金も払わずにご飯を食べしてまったが…大丈夫か」

そういい。手に着ていた服と布団をもち政宗は元の時代に戻った。


──政宗自室 A.D.2071


戻ってきた。いつも通りの薄暗い部屋。いつも寝ているシングルベット


「あっこのパーカー着てきしまった。」


でも、前いた時代はわかっても場所がわからない。


「まぁ。何かの縁だ貰っておこう」


完全に窃盗罪だが時代が変わってしまって40年経っているので完全に時効だ。


すると、部屋をノックする音がした。


「おーい政宗起きろ初詣いくぞぉ」


兄武蔵が起こしに来たついでに、初詣を誘いをして来た。政宗は部屋の扉を開けて兄を出迎えた。


「兄貴!あけましておめでとう!」


新たな一年の幕開けは政宗にとってとても長く感じて、大きな印象を与えたのであった。

いかがでしたか?感想や意見をお待ちしております。また、ご要望があれば別の機会にまた短編小説を書こうと思います。

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