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7.リターン
キツォーはソランの元へ駆け寄ろうと地を蹴った。が、前には進めなかった。彼の肩をがっしと掴んで離さない黒い手があった。彼は引き戻され、先ほどまでいた小広場を後にした。「まさかこんなところまで来ていたのですね、坊ちゃん。探すのに一苦労しましたよ。」キツォーは全てを察した。
「ちょ、アレやったのお前かよ!」
「アレとは何ですか、あの魔法はあのように使うのが正しいのです」
「でもアレは身の危険を感じたときに使う魔法じゃなかったのか?」
「そうです。間違いなく、それが使い時です。あの者は坊ちゃんにとって危険すぎました。あそこまで近くに迫っていたとは・・・住む場所を変えなければならなくなるかもしれませんよ」
「それマジ?」
「マジです。まずは父上にすべてを話さなければなりません。坊ちゃん、あなたもですよ」信じられなかった。あの女と遭遇することはそれだけのことなのだろうか。あの存在が危険?彼は、トキーアサンの語った外の世界の人間の話を少し思い出した。トキーアサンに連れられ、キツォーは父の元へと向かった。