表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファイナゴ国物語  作者: リンビー
2/17

2.二点の距離

この時、彼はまだ幼かった。父は彼に「おもり」を与え、「それ」にその子の世話をさせた。

そんなお話の主人公、彼はキツォーと名付けられた。「おもり」と彼は常に行動を共にし、お互いをよく理解していた。キツォーが得た知識や経験は、そのほとんどをこの「おもり」と共に過ごした時間の中で生まれた。父は飽く迄「おもり」としか呼ばなかったが、キツォーはそれを嫌った。対等な関係でいようと努めた彼は、この「おもり」をトキーアサンと名付け、そう呼んでいた。キツォーがトキーアサンと対等な関係でいようとした理由は、単純に二者の仲の良さに拠るものであろう。確かに、キツォーがこの世に生を受けたときには既にトキーアサンは存在し、また、物をよく知ることからも、トキーアサンがキツォーより年上なのは確かであった。そして、トキーアサンも「おもり」としての身分をわきまえ、常に口調はへりくだったものであった。本来ならば、両者の間には心理的な隔たりがあって然るべきだが、時を過ごすにつれ、形だけの距離は意味を成さなくなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ