表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファイナゴ国物語  作者: リンビー
14/17

14.煩瑣

次の朝は、まるでいつものように訪れた。彼はいつもよりは遠くには行かせてもらえなかったが、それでもいつものように外へ出て、トキーアサンの授業を受ける許しを父から得た。

「坊ちゃんは多く魔法を知った気になっていますが、それでも全体から見れば、まだいくらも十分ではないのですよ」

「分かってるよ、だからこうして毎日毎日教えてもらってるんだろ。全部覚えてみせる」彼は今、とにかく力をつけたいという思いにとらわれていた。昨夜の出来事が大いに影響している。

「魔法のことについてもそうですが、全体というのはそのような意味ではありません。心です。坊ちゃんはまだ年齢的にもまだ十分成熟しきってはいない。精神的にも幼いために、誤った判断をしてしまうことが数えて止みません」

「そんなの仕方ないじゃんか。老いを得る魔法は知らないし」

「すぐそうやって魔法に甘えるところも、未熟なところですよ。良いですか、せっかく父上から力を授かっているのですから、正しいように使っていかなければなりません。幼さ故の過ちなど、決して悪いことではない。大切なのは、そこからどう自分にとって良い方向に導いていけるかなのです。ですからこうして私が付いているのですよ」事実トキーアサンはいちいち説教臭いところがある。キツォーは今までたくさんの教訓めいたことを彼から教わってきたが、今回の言葉は彼の心に響いた。今までも、もっと真面目に聞いていたら、他にも良いことを言っていたのを聞けていたのかもしれない。話がひと段落着いたところで、トキーアサンが切り出した。

「ところで坊ちゃん、ここから少し、遠いところに行ってみませんか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ