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13.譴責
キツォーは、自らの使う移動魔法の中にいた。一度掴んだ相手の数が一つということ、そして、位置が北西で良かったという安堵の思いが、彼をさらに包んだ。彼の頭の中は依然としてもやもやしていた。今さっきの出来事を自分の中でどう解釈しよう。いや、それよりもまず家に帰らなければ。彼は夜空を仰いだ。まだ暗い。体感で丑三つ時といったところだろうか。まだ父もトキーアサンも起きてはいないだろう。彼は家に着くと、念入りに中を確認しながら自分の部屋へと向かったが、案の定誰も起きてはいないようだった。結局ソランはそこにはいなかったし、踏鞴を踏んだだけだった。彼はそう思い、床に就いた。