〜 創造主たちの日常 《練習部屋》にて 〜
「あ〜! また失敗かぁ〜!」
「おやおや。これで何度目でしょうねぇ。」
「む〜。」
悔しそうに唸る姿に、クスクスと笑う声がする。
「それで、今回の失敗の原因はつかめましたか?」
「たぶん。けど、どうすれば良かったのかは、まだ考え中。」
「そうですか。なら、次はこれまでと同じ失敗を繰り返さないようにしてくださいね。」
クスクスと笑いながら、移動していく気配がする。
「あ! お疲れ様です〜!」
「おや。こんなところで、どうしました?」
「今回の結果が気になっちゃって。
………また、ですか?」
「ええ。また。」
はぁ〜っと大げさにため息をついて、フルフルと首をふる。
「いつになったら気付くんでしょうね〜。
《練習部屋》じゃ、けして成功することなんかないのに…。」
「教えてはダメですよ? 失敗の原因には自分で気付かなければ意味が無いのですから。」
「わかってますけど〜。
他の皆は、とっくに世界を創造してるっていうのに、《練習部屋》を卒業できてないの、もう彼だけなんですよ〜?」
呆れたように話す中に、心配しているような声音が混じる。
「そうですねえ。」
クスリと笑いがこぼれる。
「まぁ、失敗の原因の中に《部屋》という環境も条件の一つとして含まれる、ということに気付くことができなければ、後々困りますからねえ。」
「世界を創造した時、星の滅びがまわりの環境によるものであった場合、それに気付くことができなければ、同様の滅びを繰り返し、いずれは世界の滅びにつながりかねない……でしたっけ。」
「ええ。滅びの原因に気付き、それに対して適切な対応策を考え実行する。
そのための《練習部屋》なんですから。」
「だから、あの部屋では失敗して当たり前。
何度でも失敗して原因を探り、同じ失敗を繰り返さない練習をすることで、《創造》した時に滅びを回避できるようにする………」
「そうです。あなたはよく学んでいるようですね。」
「ありがとうございます。」
照れたような嬉しそうな声を残して、クスクスと笑う声が遠のいてゆく。
「……早く出てきなさいよ、馬鹿。」
《練習部屋》が空になる日は…まだ遠い。
……界を渡る者達の物語は、終わらない……
初投稿です(笑)
本編は、妊娠中に異世界転移しちゃった女性と生まれた子供の物語です。
R15指定の予定です。バイオレンスな場面があるので……(汗)
アン・ハッピーエンドです。
本編の最後が、このお話に続きます。
一晩で粗筋やら設定やらできた(笑)ものの、色々こね回して文章にするのが、一番時間がかかるのデス☆
(^^)とりま、完結めざして、ボチボチいきま〜す♪