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09 果たし合い開始

「なあ、あの二人、どう思う。」

「どう思う、とは?」

「野暮な事を聞くなよ。お似合いかどうかって事さ。」

「ふふふ、そう言う事か。さて、先日会っただけなのでなぁ。だがあの少年と少女はなんとなくだがうまく行くような気がするわい。」

「果たし合いをすると言えば飛び付いてくるかと思えば、本当に飛びついてくるとはな。あの娘は国外の世界に憧れの様なものを抱いているからな。少しでも外の世界に触れられるいい機会だと践んだのだろう。」

「お主、その為に果たし合いを承諾したのか。」

「いいや、お前は楽しませてくれそうだ。それは本当だ。こんなにワクワクするのは久しぶりだ。」

「ワシもよ。体が疼いて疼いてしょうがないわい。」


アルティさん達は何か話していたようだがやがて早乙女さんが構え、アルティさんも大鎌を握りしめた。

早乙女さんが闘気を、アルティさんが魔力をその身にみなぎらせる。

その光景に野次馬たちもシーンとなる。


「行くぞ。」

「激しくしてね。」

「気持ち悪い事を言うでない。」


早乙女さんがまず動いた。

速い、一気に間合いを詰めた。

右の拳がアルティさんに突き出される。

アルティさんが後ろに飛び引き、同時に右手からどでかい火球を放つ。


「ムン!」


巨大火球を手刀で切り裂いた。

切り裂いた火球の後ろには無数氷の矢が早乙女さんを射抜こうとしていた。

それに戸惑う事無く矢を全て叩き落としてみせた。


「すっごい。」


マツバが言葉をもらす。

初めて見る戦いにみいっているようだ。


「アルティさんってあんなに強かったんだ。」

「強いよ。あの人が負ける所が想像できない。一度くらい痛い想いをしてほしいけれど、想像できないなぁ。」

「私も魔法使ってみたいな。」

「魔法があれば料理する時に便利そうだね。」

「そうそう。料理するとき便利だよね。それと。」

「ん?」

「お姉ちゃんも守れるし。」

「お姉ちゃん想いだね。」

「あと、お兄ちゃんの手伝いも出来るかもしれないし。」

「どんな?」

「怪我して帰って来たら直したりできるでしょ。」

「そっか。」


傷を癒す魔法は私にもできない事は無いが、私はそっち方面は苦手だから傷が完全に治る前に魔力が尽きる。


「マツバが魔法を覚えたら怪我を治して貰おっかな。」

「うん、任せてちょうだい!」


さて、アルティさん達の方だが。

アルティさんが大鎌を振れば早乙女さんは飛んで避ける、落下する際に殴り付けようとすれば左腕に魔力を込めてガードする。


「ぐぅ、痛って。」


左腕をさするアルティさん。


「まだまだ本気ではなかろう。」

「ふっふっふ。そっちもそうだろう。」

「様子見はここまでにしようか。」


早乙女さんがさらに闘気をみなぎらせた。

アルティさんも凄まじい魔力をみなぎらせる。


「ヌウオォォォォォ!!」

「ウリィヤァァァァ!!」


そっからは大鎌と拳で応戦し合う二人。

二人の攻撃によって二人を中心に地面に亀裂が入ったり浮き上がったり沈んだり。


「わっわっわ。すごいけど自然に優しくない!」

「あぁ、容赦ないな。もう少し距離をとろう!」


私達はさらに距離をとった。


やがて魔力を大鎌に、闘気を拳に込めてお互いぶつけ合った。


「ぬ・・・ぐ・・・うおおおおおお。」


鎌が早乙女の手に食い込む。

だが食い込んだ手で鎌を掴んだ。

鎌の動きが止まる。


「これで、脇ががら空きだわい、くらえい。」


早乙女さんはもう片方の拳でアルティさんの脇腹を狙う。


「大鎌に込められた魔力がこれで全快だと思ったか?」

「なに。」

「ははははは。楽しかったぞ。」


アルティさんが手を片方鎌から離して魔法を放った。


「ぬうおおおおお!?」


早乙女さんは盛大に吹っ飛んだ。

ギャラリーがいるところまで吹き飛んだ。


「アルティさんが勝ったの。」

「そうだね。」

「なんか・・・すっごいね。それ以外に言葉が見つからないや。」

「そうだね。」

「お兄ちゃん、そうだねしか言ってないよ。」

「そうだね。」

「お弁当食べる?」

「そうだね。」


マツバが笑いながら私を叩いた。


二人で弁当を食べているとアルティさんがこっちきた。


「どうだったかね。私達の戦いは。」

「とっても凄かったよ。」

「サンドイッチ1つくれ。腹が減った。」

「どうぞ。」


早乙女さんもこっちきた。


「参った。」

「なかなか楽しめた。」

「ふふ、力の差は歴然であったか。そっちはまだ全然余裕のようだな。」

「あと2戦はできる。」

「はっはっは。化け物だな。」

「これから私は娼館に行くがお前もどうだね。」

「一緒に酒飲むノリでそんなところに誘うな。」

「パンダの娼婦もいるぞ。」


いるのかよ。


「いかんと言ったらいかん。ワシはそこのお嬢ちゃんの店で寝る。」

「そっちの趣味が・・・。」

「無いわい。」


その後、アルティさんを除く私達はマツバの店に戻った。

帰って早々、マツバは早乙女さんに笹の葉を振る舞った。


「やはりパンダにはこれだわい。うまいうまい。」

「まだいっぱいありますからねー。遠慮せずに食べてください。」

「ありがとう、お嬢ちゃん。やはり笹の葉は素晴らしい。」


早乙女さんは満足しているようだ。

マツバも満足しているようだ。

マツバが満足しているなら私も満足だ。


「お兄ちゃん、今日はありがとう。」

「感謝される程の事はしてないよ。」

「感謝のしるしにお兄ちゃんもいっぱい食べていってね。」


いや、さっき弁当食べたばかりなんだが。

でも彼女が幸せそうならそれでいい。

頑張って食べるとしますか。



難しいなぁ。文章書くのって。

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