38 教団員が勝負を仕掛けてきた。
「うおー、やっぱり俺がやる喰らえ!」
「あっ。」
レムはアルティさんの言う事を結局無視してドラゴンに飛び掛かった。
が、ドラゴンは何故か持っていたハエ叩きでレムを張り飛ばした。
「ヘブソっ!!」
レムは奇声をあげながら飛んでいく。
「キーパー、死守死守!」
「オーライオーライ、キャッチ!」
アルティさんがリーナさんに指示し、レムをキャッチさせた。
「お前は雑魚をやれ、いいな。」
「ふ・・・ふぁーい・・。」
アルティさんはレムに指を指すついでにリーナさんの胸をツンツンしながらレムに言った。
リーナさんは笑顔でアルティさんにチョップする。
そしてアルティさんの耳元で
「続きは帰ってからね。」
と囁いたらしい。
リーナさんに抱き抱えられてたレムには聞こえたようだ。
「クッソたれめ~。」
「ほらほら、敵が押し寄せて来るわよ。」
「いつか絶対あんなドラゴンと戦ってやる。まずはテメーら雑魚からだ。フェアリーパワー!!」
「あら、どこかで聞いたような叫び。」
「今度はちゃんと言う事聞いたようだな。」
ドラゴンはレムを見下すように見ながらウシシシと笑っている。
「どこを見ている、木偶の坊。」
アルティさんがドラゴンの股間辺りを蹴りあげる。
急な激痛がドラゴンを襲い、悶絶する。
ドラゴンは股間を押さえつつ、転がりまくる。
テーブルや椅子、グラスやボトルが壊れ、割れる音が響き渡る。
アルティさんやレムをとっさに抱えたリーナさんは上手く跳び跳ねてドラゴンの攻撃?を回避する。
アルティさんは魔力を込めた鎌をドラゴンの頭部に叩き込んだ。
ドラゴンは頭部に大きなたんこぶが現れ、目はグルグル、舌が口からはみ出た状態で気を失った。
まるで漫画みたいだったそうだ。
「流石は噂に聞く男よ。あんなモノでは時間稼ぎにもならねえな。」
教団員が頭のフードを取る。
赤い髪に角、青い肌をしたオーガ族の女性だった。
「こっから先には行かせる訳には行かないよ。」
教団員は威勢よく言う。
「いい女だ、ふーむこれは不味い。これはちょっと時間が掛かりそうだ。王の弟連れ戻さないといけないんだが、いい女だしなぁ。これはちょっと時間をかけなきゃしょうがないよな。」
アルティさんは舌を舐めつつ長期戦を決めた。




