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37 魔神について

「それで、魔神教団って何よ?」

「人生遊び呆けてたレム君のためにお授業してしんぜよう。」


アルティさんによるレムのためのお授業が始まった。


「教団が何たるかの前に、遊び人のレム君、魔神は何のためにわざわざ魔界から出向くか知っているかね?」

「世界征服を企む悪の魔王とか何だろう?」

「そー言う絵本が好きなんだ、へー。」

「そーゆー勇者みたいになるのが夢でもあるけど、違うの?」

「別に魔神は世界征服何て考えちゃいない。」

「じゃー何しに来るんだよ。この山をこんな吹雪にしてまで。」

「悪趣味な遊びだよ。お前と同じだな。奴らは私ら人間をオモチャか何かだと思ってやがるんだ。」

「遊び・・・遊んでるだけ?」

「迷宮に潜ればお宝も用意されている。クリア報酬付きのダンジョンRPGごっこと言ったところだな。」

「もしかして本当はいい奴だったりするのか?」

「魔神自身はそう思っているかもしれんな。自分が善だと思い込んでる悪って奴だ。そういう奴は質が悪い奴だ。」

「どう質が悪い?」

「山が吹雪で灰だらけ。」

「灰は・・・。」

「氷は溶けたか?」


アルティさんはリーナさんに問いかける。


「全部終わってるわよ。」

「じゃあ、とっとと行くぞ。」

「アルティさん。」


兵士が話しかけてきた。


「あん?」

「ありがとうございました。ご武運を。」

「人の武運を願ってる場合か貴様らは。」

「しょ・・・精進します。」


アルティさん達は迷宮の中に入った。


「あら、今回の迷宮はまるでホストハウスかキャバクラみたいな場所ね。」

「へー、こんな感じになっているのか。」


ホストハウスやキャバクラのような部屋が迷路のようにいくつも繋がっている・・・と言うべきかそんな感じの構造だったらしい。

アルティさん達はいくつもの部屋を通りすぎていく。


「んで、魔神教団ってーのは何?」

「魔神を崇拝する奴ら。我々の敵だな。こういう迷宮をほっとけばやがて魔神が出てきて人間界を侵食し始める。」

「そんな魔神を何で手伝うんだ?」

「魔神は時に人間に強大な力を授ける。自分に従うよう契約した上でな。魔神に救われ、恩義を感じたりする奴もいたりする。」

「魔神が人を助けたりすんのか?」

「死にそうな奴を救うとかすれば恩を感じる者がいたりする。そうやって契約させるのを目的にな。」

「へー。」

「あら、やっと魔物が出てきたわね。」


リーナさんが言う通り魔物が現れた。

ワインボトルに手足や目玉が付いたような姿の魔物、オオカミの魔物、ホストっぽいブタ、キャバクラっぽいラッパ、エトセトラ、エトセトラ。


「何もないところから四方八方に現れやがって。」


レムが言う。


「神も魔神も、周りは精霊の宝庫だ。精霊がいれば魔物は幾らでも。」


とアルティさんは説明しようとする。


「それはわかってる。」

「怖じ気づいだか?」

「誰が、そろそろ退屈だと思ってたところだよ。」

「そりゃ結構、じゃあ有象無象の雑魚どもは任せる。」

「あん?雑魚以外何が?」

「いま出る。」


アルティさんが指さした方向に人が見える。

フードを被っている。


「あれが。」


とレム。


「魔神教団だ。」


とアルティさんが答える。

教団の者が何か呪文を唱えると、魔方陣から巨大なドラゴンが現れた。


「おーでっけー、そっちやりたい。」

「人の食事を邪魔しちゃ駄目よレム君。私たちはこっちで我慢しましょ。」


リーナさんがレムを静止する。


「ちぇっ、次はやらせてくれよな。」


レムはしぶしぶ従った。

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