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24 望んでもいない無茶な状況

私は自分の実力にみあった事をするように心掛けている。

無茶な事は極力控えている。

無茶な事をして、痛い思いをするのは嫌だ。

アルティさんに修行と言われて無理矢理1ランク、2ランク上の仕事に連れて行かれる時以外は絶対に自分にみあった依頼を選ぶようにしているのだ。

自分の実力も理解せずに無理な依頼を受けて痛い目にあっている人を見る度に私は心のなかで「馬鹿め」と毒ついていた。


それなのに、いま私は望んでもいない無茶な状況に置かれている。

アルティさんが遠くへ吹っ飛ばされ、妖精の少年も動ける状態じゃ無い。

私一人でこの凶暴な魔物と戦わなければならないのだ。


「覗きの兄ちゃん、大丈夫かよ?さっきのおっちゃんはともかく、兄ちゃんはこいつと戦えるのかよ。」


少年が聞いてくる。

大丈夫かだって?

戦えるかだって?

大丈夫じゃないし正直逃げたい。

いつもならどうやったら逃げれるか頭を巡らせる所だ。

だが。


「君を置いて逃げれるかよ。」


格好つけちゃった。

格好つけてしまった。

もう逃げられない。


「覗きの癖に格好つけてんなよ。」


こんの餓鬼、人がせっかく格好つけたのに。

まあ、今はそんな事はいい。

癪だが今はいい。

さて、どうしようか。

少年を回復する、それは時間がかかる。

奴はそんな暇を与えてはくれないだろう。

少年に薬草を投げる。

彼にはそれで回復してもらおう。

彼が逃げる、アルティさんが戻って来る。

それが出来るまで魔物の注意をこっちに向けるしかない。

倒せるか、そこまではいけないか。

やってみなくてはわからないかもしれないが多分無理だ。

アルティさんが戻って来るまで何とか時間を稼ぐしかない。

やれやれ。

剣とペンダントに魔力を込める。

剣が光り輝く。


「おい、こっち向きなさい。」


私は腕が一本なくなった為かどうか知らないが、二足歩行になった魔物に呼び掛ける。

魔物がこっち向いた。

即座に氷のブレスを吐いてきた。


「ちょっ。」


私は跳躍して避けた。

やれやれ、まだちょっと筋肉痛で痛いのに。

少しくらい間を置け、危ないじゃないか。

奴はまだブレスを吐いている。

これはチャンスか。

着地した私は即座に魔物に向かって跳んだ。

魔力を込めた剣で斬りかかる。

奴の脇腹から血がちょっぴり出る。

今の私ではチャンスにはならないと言う事か。

私の攻撃と同時に魔物は翼から羽根を発射する。

器用な。

魔力を左腕の盾に集中、防御。


「ぐっうぅっ。」


羽根の癖に凄まじい威力だ。

私は岩壁に叩きつけられる。

改めて見てみるとやはり奴の傷は浅そうだ。

頑丈だな、無理に攻撃しない方がいいだろうか。

アルティさん、お願いですから早く来てください。

こいつ相手にどこまで魔力がもつか。



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