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20 フラフラのアルティさん

私はフラフラの状態のアルティさんと共にリコッホ山へやって来た。

アルティさんはお肉やらミルクやらをたらふく腹に入れていた。


「血が足りない時は肉を食えばいいのだ。」

とのことらしい。

見た感じあまりよくなっているようには見えない。

だってフラフラしているもの。

私が先行し、時々アルティさんの様子を伺いながら進んで行く。


「大丈夫ですか。」

「大丈夫・・・だ。」

「お願いしますよ、あなただけが対抗できるんですから。」


返事が無い、ぶっ倒れてるんじゃないだろうな。

ぶっ倒れてた。


「ぶっ倒れてるじゃないですか。」

「いかん、ミルクを飲みすぎたせいか、腹の調子が悪い。」

「貧血に腹痛の最強魔法使いなんて聞いた事無いですよ。」

「ぐぐぐ、最強と言えど、病には勝てないと言うのか。」

「ただの自業自得でしょうが。」

「ちょっとあの岩影で出してくる。覗くなよ。」

「誰も覗きませんから早く行って下さい。」


それからしばらくして私達は進みだした。

アルティさんの体調は少し良くなって来たようだ。


「腹をスッキリさせたからな。」


それは関係あるのだろうか。

そしてついに私達は魔物がいる場所へとたどり着いたのだ。

私達がたどり着いた時、既に何者かによって戦闘が行われていた。


「誰か戦っているな。」


とりあえず、私達は岩影から覗くようにその戦いを観察して見る事にした。


「あの戦っている妖精の小僧。昨日、お前を蹴って私のナンパを邪魔した奴じゃないか。」


確かに、あの妖精は私を蹴り飛ばした奴だった。

そいつがどうして魔物と戦っているのだ。

妖精の少年は炎を自在に操って魔物に挑んでいた。

炎に対し、魔物は口から冷たく、輝いてるかのようなブレス攻撃で対抗していた。


「さて、あの小僧と魔物。炎と氷。果たしてどちらが勝利をおさめるかな。」


アルティさんが楽しそうに笑う。


「加勢しないんですか。」

「あの魔物がどれ程のものか見定めるのにちょうどいいだろ。」


嘘だ、この人は絶対楽しんでいるだけだ。

魔物はまるで白熊と鳥が合わさったかのような姿をしていた。

口からは氷のブレスを吐き、前足の爪で切り裂き、背中の翼から弾丸のように羽を飛ばしてきた。

少年は必死にそれらをかわしつつ、反撃する。小さな炎の玉を連発したり、でっかい炎の玉をぶん投げたり。

だが、それでもあまり効いているようには見えない。


「チックショー。絶対にケチョンケチョンにしてやるぞー。誰も倒せなかったこいつを俺様が倒して名を馳せるのだ。俺様こそ、最強となるのだ。ワッハッハ。」


なるほど、そう言う理由で戦っていたのか。

アホか。



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