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13 守護精霊さま

私はアルティさんの周りにいる盗賊どもを殴り倒しにまわった。

マツバに悪影響な光景を見せるわけにはいかない。

周りにいる盗賊どもを片付けた後、私は疲労を感じた。

身体強化の魔法に体が付いていけてないのか。

こいつはまた筋肉痛になるかな。


「もう一度言います。退いて頂けますか。」


私は再び交渉を試みた。

これ以上は体がもたん。


「親分。」

「情けねぇ声だすんじゃねぇ。逃げるぞ。」

「親分、倒れている奴らは。」

「そんなもんほっとけ。とっとと来やがれ。」

「ま、待ってくだせい、親分。」


盗賊達は一目散に逃げ出した。

私はホッと一息つく。


「どうやら片付いたようじゃな。」


突然、聞き覚えのある声が聞こえた。

何かがガサッと動いた音がした。

その方向を見ると一本の木がお爺さんに変化していた。


「あ、道を教えてくれたお爺さんだ。」

「また会ったのう、お嬢ちゃん。」

「あの時はありがとうございました。」

「ほっほっほ、いいんじゃよ。可愛い娘を助けるのに理由はいらん。」

「でも、どうして木になっていたんですか。」

「そのじいさんは人間ではないからだ。」


マツバの疑問に答えたのはアルティさんだった。


「あんたはこの森の守護精霊ってところだろう。」

「さよう、ワシはこの森の守護精霊じゃ。先程のような奴らがいればこうやって。」


何処からともかくツタが倒れている盗賊達の方へ伸びてくる。

ツタは盗賊達を何処かへ引っ張って行った。


「こうやって不届きな輩を森の外に追放するのがワシの仕事じゃ。」

「すごーい。」

「凄いじゃろう、ほっほっほ。」


あの時この森は体の一部みたいなものだと言ったのはこう言う事だったのか。

そんなに凄いのなら加勢してくれれば良いのに。


「ま、今回はそこの若いのの活動っぷりに水をさすのもアレなので見てただけだがの。」

「そんなこと別に気にしなくてもいいんですよ。」

「女の子には格好いいところを見せとくもんじゃよ。」


ほっほっほ、とまた笑う。


「さて、頑張ったお主らに餞別でもあげようかの。」


そう言うと、お爺さんは手のひらから林檎のようなものを出した。


「お嬢ちゃん、魔法を使いたいのじゃったな。」

「うん、え、聴いてたんですか。」

「ほっほっほ。この林檎をお食べなさい。君にパワーを与えるじゃろう。」


私が夜の神、カボ様から頂いたゲ・・・・シチューと同じようなものか。

マツバはお礼を言い、アルティさんが食べるようにすすめた。


「うん。」


林檎を食べ、唸ったマツバから魔力を感じる。


「凄い、何か・・・沸き上がってくるみたいだよぅ。」


自分の体を抱き締めるようにしているマツバ。

初めての感覚に戸惑っているのだろう、私も最初はこうだった。

それはともかく、何かを耐えるような、赤面したマツバの顔は何かこう、来るものがあるな。


「いいな。」

「いいのう。」


二人の男のイヤらしい感想が聞こえた。

このままだとマツバが二人の晒し者になる。

そう考えた私はマツバを二人から隠すように抱き締めたのだった。



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