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もしも神様がいるならば

作者: 神無月 鞘

 もしこの世界に神様というものが存在するのなら


   どうしてこうも世界は歪んでしまったのだろう




 神様、あなたは奇跡というものを起こす力を持っているのでしょう?


   ならば、どうしてその奇跡は平等に与えられないのでしょうか




 あなたの起こした奇跡で救われる命があります


   でも、その一方で不幸な偶然によって死んでゆく命もあるのです


     それも、あなたの起こす奇跡と同じくらい


       まさかと思わずにはいられないような不幸な偶然によって




    奇跡と偶然の違いとは何なのでしょうか?




 人が平和を望んでも、世界は平和を拒絶する


   ならば私は、いったい何を願えばいいのでしょう?


     いったい何を信じればいいのでしょう?




 神様、あなたは本当に人を救う存在なのでしょうか?


   それとも、人を滅ぼす存在なのでしょうか?


     あるいは、私たちをただ眺めるだけの傍観者なのでしょうか?




 ねぇ、神様


   私にはあなたがわかりません


     もし私があなたの存在を信じたとしたら、


       あなたは私にも奇跡を振りかけてくれますか?




 私にはあなたがわかりません


   あなたの起こす奇跡というものを、


     私は信じてもいいのでしょうか?




  そんなささいな問いにさえも、あなたは教えてくれないのですね――




 それならば、この悲しみに染まってしまった世界で、


   私はこの先いったい何を信じて生きていけばいいのでしょう?




        あなたからの答えは聞こえて来ない


        いつまでたっても返ってくることはない




 ……神様、やはりあなたはいないのでしょうか?


   私がこんなにも必要としているというのに


     あなたは私に答えをくれないのだから






 あぁ、でも神様、もう少し


  後ほんの少しの間でいいですから


   せめて私が泣き止むまでは


    あなたの存在を信じてみてもいいですか?


     ささやかな奇跡を、期待していてもいいですか?

 たとえ祈りが無為だとしても、それでも人は祈るのだろうーー

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