探してみよう・・・か?
視点が「俺」に戻ります
「見つかったらしいぜ」
そう言われたのは、五時間目の授業のあとの休み時間だった。
携帯で随時情報の確認をしていた大木は、俺に知らせてきた。
見つかったらしい。
昨日行方不明になった(食われた、らしい)この学校の女生徒が。
「見つかった・・・のか。何処で?」
「いつもと同じ・・・山の奥だそうだ」
人間一人では入ったら最後、迷うような山奥だそうだ。
いつも、そこで見つかるらしい。
「また、白骨だってよ」
「・・・そうか」
俺はそんな返事しか返せなかった。
誰だってそうだろう?
何か返せるはずがない。
だって、こんな話なのだから。
「・・・見つかったんだ」
俺達の話を聞いていたのか、突然声がした。
「・・・水瀬」
顔を上げるといたのは、同じクラスの水瀬 風華。
このクラスの学級委員で、成績優秀、スポーツ万能。
その上、容姿端麗。
何もかもが完璧なヤツ。
だが、その素性は不明。
不思議な空気を纏っている。
「一組の松田さんだって。それ」
「マジかよ・・・。ってか何で知ってんだ?」
「さぁ?」
微笑してはぐらかすが、本当に、何故知っているのだろう?
教師たちは表に出さないようにしているし、まだ見つかって数時間。
情報だってそんなに出回っていないだろう。
何より、死体の判定自体が出来ているか定かではないのに・・・。
何故彼女は知っているのか?
彼女は本当に不思議だ。
「大木君から聞いてるでしょ?危険な日」
「・・・う、うん」
「だったらその日には、夜の外出はしないことをお勧めする。・・・こんなことになりたくなければね」
「わかった・・・」
水瀬さんの言葉に頷く。
大木から教えてもらった日付け。
その日に、一体何があるのか。
俺には分からないけれど、それでも。
なんだか危険か物が、この町にはあると感じた。