優雅なひと時?
今回は短めです!てか結構短い…いつも2000文字くらいなのに今日は1200文字くらいしかないです!てかいつも短い気がするけど…まぁともかくルドルフがクリムに言った提案とは?!
「…何でこんなことに」
「ん?紅茶は苦手かな?」
現在俺はギルド長とお茶会をしている。俺の目の前にあるテーブルにはティーカップに注がれた高級品の紅茶と茶菓子が置いてある。ルドルフは俺を心配するかのような目で見てきている。
「別に嫌いじゃないさ、初めて飲んだが悪くない」
「そうかそうか!お口にあって何よりだよ」
「…ところで」
「あ、気になる?さっきの」
カチャ
ティーカップをテーブルに置き、話を進める。元々この話をするためだけだと思ったのに気づいたらお茶会になってたからな。
「俺を冒険者にするってどう言うことだ?」
「そのままの意味だよ、君は強いからね。是非国のために、そして私のために死力を尽くしていただきたい」
俺に冒険者が務まるとでも?答えはNOだ。冒険者とは国やギルドから信頼されていて民衆の憧れとなっている存在。もちろんパーティ内の連携も必要だし各々の実力も必要不可欠だ。そして俺には信頼と連携の部分が不足している。いくら優秀だとしても単独だと至らないとこもある。
「俺を信頼するってか?殺そうとしたのに」
「そうとも、君のような人材をドブに捨てるのはもったいないからね」
ルドルフは紅茶を啜りながら再び話す。
「君にとっても悪い条件じゃないはずだ。クリム君?」
「…俺の名前もお見通しかよ」
「もちろん、それに君が混血であることも知っている」
「俺が混血なのと冒険者で何の関係が?」
混血児はとても稀有な存在だが圧倒的な力を持っているわけではない。もちろんどの種族とのハーフかによるが大半は獣人と人間のハーフやエルフなのが多数だ。その点俺は珍しい吸血鬼とのハーフ。魔力量も出力も吸血鬼由来の莫大さを持っている。だがそれとこれとは話は別だ。冒険者には信頼が必要なのに忌み嫌われている混血では意味がない。
「過去に一度だが混血児がSランクにまで上り詰めた事例がある。その者も吸血鬼とのハーフだったらしい」
「ッ?!」
俺は目を大きく開きルドルフの話を聞いた。過去に混血のSランク冒険者がいる?それは俺と同じ吸血鬼と人間のハーフでだ。そんな話は聞いたことがないのに…
「Sランクとは1人1人が文字通り化け物だ。個人で国家を滅ぼすことが可能なほどに力を持っている」
「それは知ってる、だから何だ?」
「Sランクに差別をするほど民は愚かじゃない、それは国家も同じだ。君がもしSランクに上り詰めたとしたら君が混血だろうと何だろうと関係なくなるわけだ」
本当なのか?差別が無くなる…幼い頃から石を投げられてきた俺が対等に…クフフッ!自然に不敵な笑みが零れ落ちる。その目は野心に塗れた戦士の目だった。
「ふふふ、良い眼だ」
「ん、あ?そうか?」
「えぇとても、その眼をしていると言うことは宜しいのですか?冒険者になっていただいても」
「愚問だな」
スッ
ルドルフは俺に手を出して握手を促す。俺は躊躇う事なくその手を握った。ここからが俺の冒険人生の序章だ。
「よろしくお願いしますよ?」
「もちろん」
ここから始まるクリムの冒険人生!まだまだ序章に過ぎないので乞うご期待!仲間と力を合わせて冒険?はたまたソロで単独最強に?どんな物語が始まるのか!次回もよろしくお願いします