百鬼 孤独な神社
風はなく
白い晴れ着の
虚無の声
最後に人と会話したのはいつだったでしょう。
最後に笑ったのはいつだったでしょう。
人が来ても
その形相は切羽詰まるものばかり
声をかける間も無く
立たれてしまう。
私は独りが嫌いでした。
いつの日からか姉妹は消えてしまい。
いつの日からか何者にも見捨てられてしまう。
どうか私を此処から連れ出してください。
これは私の唯一の欲です。
唯一の自我です。
どうかどうか。
鐘は鳴る
緋色い君と
真実を
これは語ることのない話。
狐独りではなくなった話。