なんのお題かは忘れたけれど何かのお題に沿って書いた気がする何か
「あの、すいません、」
「あ、はい。こちら〇〇病院ですが、すいません、今日は休みなんです……」
「え?そ、そうなんですか?」
(受話器の遠くの方から、「先生、冗談はやめてください!」という女性の声が聞こえる。その後、しばらく言い合いが聞こえた後に女性の声に変わる)
「あー、すいません、さっきのは、嘘、というか場を和ませる冗談というか……ははは」
「そうですか。安心しました。実は相談したいことがあって……」
(またドタバタという音が聞こえた後、次は男性の声に変わる)
「相談、ですか?時間の相談でしょうか?」
「僕死にたいんです」
「全然話聞いてねえし……しかも生かすのが仕事の医者に殺す依頼するって何事だよ……ああ、分かりました分かりました。聞きますよ聞けばいいんでしょう?何かあったんですか?」
「実は、今日、花壇の花を枯らしてしまいまして……」
「はぁ、なるほど?それで?」
「そ、それでってなんですか!!!ひとつの大切な命を殺してしまったんですよ……」
(うう、ぐすっ……と受話器の向こうから鼻をすする音が聞こえてくる)
「えー、なるほど?まあその、大変でしたね?」
「そうなんです……せっかく子供たちが大切に育てていた花だったのに……うぅ……僕なんて死んでしまえばいいんだ……」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ」
「落ち着いてなんていられませんよ……あなた、人を殺した次の日に開き直って生活なんて出来ますか……?」
「いやまあ、うん(いや、人じゃねーし)でもまあ、なんて言うんでしょう?過ちを後悔するより反省して次に生かした方がいいんじゃないでしょうか?」
「へ?」
「それに、貴方が死んだら子供たちが悲しむでしょう?貴方が悲しい顔をしたら子供たちが悲しむでしょう?」
「た、確かに……それはあなたの言う通りです。僕は間違っていました!僕は枯れてしまった花子、花男、花光、花吉……みんなの命を背負ってその罰を背負って、生きていこうと思います……!!」
「ああ、うん(どんだけからしてるんだよ)」
「本当にありがとうございました!相談したおかげでなんだか心がスッキリしました!」
「それは良かったです。じゃあ病院の予約は……」
(ぶちっ。つーっつーっ)
「………………」