デキスギ結成(前)
や「テリーとコトコが浜港の学祭でバンド組むんだって。」
け「へえー、二人で?」
や「トーコちゃん巻き込んで。」
け「マジ?冬子先輩よくウンって言ったな。」
や「コトコがお願いしたんだって。」
け「出た。コトコの強権発動。」
や「トーコちゃん、断りきれなかったみたい。」
け「あの剛のオンナが。コトコの“お願い”。怖っ。」
や「いいよねぇ。楽しそうだねぇ。」
け「まあ、これで冬子派とコトコ派の対立も治るかもねぇ。浜港にも平和が。」
お「平和だから!対立を煽ってるのアンタ達だから!」
や「私達も文化祭出よっか?」
お「聞けよ。」
け「ロージーで?いいな。」
お「き・け・よ。ってか学校行事で他校生がムリでしょ。」
や「・・・。」
け「・・・。」
お「何よ?」
け「出た。正義の人。誰が対立を煽ってるって?」
お「話戻んのかよ。」
や「このクラスで誰か楽器出来る人はいない?」
け「ピアノ上手い人知ってるよ。」
お「おい。」
や「そいつ、ウルセー?」
お「ねぇってば。」
け「ウルセーけど正義の味方。頼まれたらイヤとは言わない。」
や「じゃあそいつで決まり。」
お「アンタら何の話ししてるのよ?」
け「あ。ピアノ上手い人!」
お「人を指差すなっ!ってか弾かないわよ、ピアノ!」
や「ピアノじゃ無いなら何がいいんだよ?ギターか?ギターは私だぞ。」
お「違うでしょ。大体ケリーの方がピアノ上手いでしょ。」
け「ほら、私は何でも出来るから。別にピアノじゃなくても。」
や「ピアノ出来る人は何でも出来る説。まーちゃんが言ってたのは本当だったか。」
お「まーちゃん、誰よ?」
や「帆波も何でも出来るん?」
お「わけないでしょ。そんなの天才だけよ。てか、アンタ達本気なの?」
け「いいじゃん、いいじゃん。鍵盤弾こうじゃん。学祭バンド楽しそうじゃーん?」
お「じゃん連呼すなっ、伸ばすな。浜っ子か?」
や「結構マジで。お願い。」
お「くっ!そこまで言うなら・・・。ギターなら良いわよ。」
や「おっまっ!フザけんな!ギターは私だ。」
お「ギターじゃなけりゃイ・ヤ。」
け「帆波、弾けるの?」
お「全然。でもなんかカッコイイじゃない。」
や「何だお前は?」
け「まあ、何だ、八重、ドラムな。」
や「イキナリ!私にドラムやれと。」
け「アンタ、音は外すけどリズム揺るがないから。」
や「まて、マジで初心者バンドになるぞ。帆波は本当にギター弾けるようになるのか?」
お「私、ピアノ弾けるから。何でも出来んじゃない?」
や「ピアノ出来る人は何でも出来る説か。まーちゃんが言ってたのは本当だったか。」
お「まーちゃん、誰よ?」