災厄な彼女達その3
元彼女『痛いよー痛いよー』
よっちゃん『助けてくれぇぇぇぇぇえぇぇぇ』
不良仲間(気絶している)『・・・・・・・・・・』
いったい何が起こってるんだ?というか俺も目の前の余りの光景の悲惨さに逃げ出したい。
だが迂闊に動くと目の前の大量の『イナゴ』が自分に標的を定めて襲ってきそうで動けない。
ほんの数秒しか経っていないのだがまるで何時間も経ったような気がした。
大量のイナゴはあいかわらず不良達と元彼女に覆い被さっている。
よっちゃん『痛い!やめろーーーーウゴッ』
イナゴを振り払って逃げようとしたところ口の中にまで入り込んできた。噛まれたところから血が出ているみたいだ。よっちゃんと呼ばれる不良の顔に一本の血の筋が垂れた。
元彼女を見るとなんと耳がちぎれかけていた。
だが興奮と恐怖で全く気がついていないみたいだ。
『ぷふっ』思わず笑ってしまった。
さっきまで自分を陥れようとしていた連中がこんなに無様に血を流して苦しんでいるのだ。
誰もが笑うだろう。
『ははははははっはははっはっ、ひーっひっひっひ』
自分でも気が狂ったかのように笑った。
自分が笑っている間にも不良どもは全身をかまれ
、気絶したものは小便をもらして血混じりの水溜まりが出来上がっていた。
『くせーーなおい』
不良どもが漏らした小便の臭いでふと冷静になった。もしかしたら・・・・・・・このイナゴを操る能力が自分の能力なのか?
ギリギリまで追い詰められて能力が発現したのだろうか。
『そうか・・・・・・・これが俺の能力』
『名付けて‼イナゴーー・・・』
『いいえ、違いますよ。』
『!?』
振り向くとそこには女がいた。
しかしただの女じゃない。褐色の肌。バッチリ開いた目に長いまつ毛。整った顔立ちとスラッと伸びた鼻。
背はそれほど高くないが胸は大きくウエストは引き締まり・・・何よりも・・・お尻!でかいけど上を向いている。その上デブというわけじゃない。
・・・・・・・エロい・・・
こんなにエロい体をした女をいままで見たことがあったろうか。
明らかに日本人じゃない彼女に見とれていると
こっちに向かってトコトコ歩いてきた。
そして優しくこう言った。
『これはね。私の能力です。』
『ああ、そうなんだ・・・・・助けてくれてありがとう』
しばらくじっと見つめあう二人。
ノリフミが恥ずかしくなってふと目線をそらすと後ろにも女がいることに気がついた。