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お前は幸せにはなれない

『無能力は絶対に幸せになれない』

母親の口癖だった。最初はそんなことはないと反発したが不思議なものでなにかある毎にそんなふうに言われていると本当にそうなのだと思い込んでしまうものだ。


父親は母親以上にひどかった。


ある日父親に母から『無能力者は絶対に幸せになれない』と言われるのに耐えられないと告白した。すると『わかった。母さんに言ってみるよ』と言ってくれたのだ。

『ああ、これで開放される。』そう思った。

しかし、それは大きな間違いだった。


『てめえ、父親にいいつけやがったな』

母親は僕の部屋の扉をバタンと開けてこういい放った。

その後は想像できるだろう。何度ごめんなさいと言っても許してもらえずその日から今まで以上に

僕への態度が厳しくなった。

父親はどうしたかって?

『お前が悪い』だって。母親と争うよりも息子を悪者にしてとりあえずその場をおさめることを選んだのだ。卑怯もので弱虫。『チチオヤ』にはそんな言葉がお似合いだ。

二人はずっと後に離婚した。


実の親から『お前は幸せになれない』と言われて育った子供はどうなる?助けを求めてもだれもわかってくれなかったら?


引きこもりになるしかない。中学2年生になるくらいまでは通っていたが3年生の後半には完全な引きこもりになっていた。

将来なんてどうでもいい。どうせ幸せにはなれないのだから。


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