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お前だけは許せない

『こ、これは凄い数値じゃ。カンストしとる。』

いかにも博士な格好をした老人がそういった。

『やったわ!ノリフミやった!』

あの時の母親の嬉しそうな顔は今でも忘れることができない。

だってそれから母親にほめてもらったことは一度もなかったから。

5歳の夏だった。僕はあの時終わって、始まったんだ。


10年後

朝、教科書も何も入れてないカバンにはボールペンだけ。

外をまともに歩くのは3ヶ月ぶりだった。

ただ歩くという行為。それがこんなにしんどいものだったとは。


人類のほとんどが何かしら能力を有している社会。

そんな世界に僕は生まれた。ほとんどということは、一部はもっていないということだ。

もっていない人たちは、無能者とよばれた。

僕はどうかって?もちろん能力は持っている。それもパワー数値だけでいったらかなり強力。計測器ではかりきれないのだ。


しかし、なんの能力なのかわからない。

5歳の時に計測して以来、様々な方法を試したが効果なし。

まわりの友人達は物を浮かす、炎を出すなど分かりやすい能力を持っていた。

『君はねえ、パワーだけはねえ凄いんだけど』

何百回同じことを言われたろうか。


この世界は能力が強力なものだけが支配をしているのではない。

もちろんそういう時代もあった。しかし能力には制約というものがある。力が強大であればあるほど『ナニカ』を犠牲にしなければいけないのだ。

だから、強大な能力がなくても金持ちや世の中を動かしている人たちはいっぱいいた。


そんな世界なら能力がなくてもいいじゃないか。

そう、確かにそうなんだ。能力がなくても普通に生きられる。

でも、そんな普通を許せない人がいた。

僕の『ハハオヤ』だ。


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