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昔話し。




ランフリーは言った。



「私達は薬は持ってないわ!!」



女は言った。



「・・・そう。

そこまで隠すのね。

いいわ。力ずくでも奪ってあげる。

来る奴は来なさい。

降伏したければ、薬を渡して死になさい。」



「なんで貴方はそこまで死ねって言えるの!?」



「・・・人間が嫌いなだけよ・・・。」



リニアは言った。



「どうして人間が嫌いなんだ?」



女は言った。



「あのお方以外は嫌いだ!!

人間は、あのお方の命令を、忠告を無視して・・・。無視までしといて、殺すなんて・・・。」



カイロは訪ねた。



「あのお方?

そいつも人間だろ?」



女は言った。



「今は・・・違う。

昔だって人間じゃなかった。

あのお方は今、死んで、人間が言う、幽霊と言う物になって、屋敷にいる。

昔は、私と同じ、人間の姿をした、けものだった。

つまり、人神じんじゅう。」



ランフリーは訪ねた。



「貴方も・・・人神じんじゅうなの・・・ね?」



「そう。それで、人神じんじゅうは長生きでさ、春、夏、秋、冬、ずっとあのお方と楽しく過ごしていたの。

何年も、何年も、ずっと楽しく・・・。

でも、人間が私からその幸せを奪ったの。」



ランフリーは訪ねた。



「その、人間は・・・誰なの?」



「ガルシルと、アマニア。

そいつらが、生き物を絶望させなければ、きっとあのお方は今も・・・。」



リニアは、目を見開いて言った。



「父さんと・・・母さんの・・・名前。」



女はリニアの方へ行った。



「お前もそいつらの子供なら、犯罪者同然だ!あのお方を返せ!!」



「お、俺も・・・犯・・・罪者。」



「そうだ!!!

あのお方を返せ!!!」



すると、どこからか、聞いた事のない男の声が響いてきた。



「やめなさい。

アシュラン。」



「ショウド様!!」



響いてきた声は、女が、あのお方と言っていた人だった。

そして、女の名前は【アシュラン】あのお方の名前は【ショウド】だった。



「ショウド様!!

なぜですか!?

なぜその男をかばうのですか!?」



「アシュラン。わたしは、人間を怨んだりしてはいない。もちろん、ガルシルとアマニアもだ。」



「なぜですか!?

ショウド様を殺した奴らですよ!!

憎いじゃないですか!!」



「アシュラン、憎しみを持ってはいけない。」



「しかし、人間は弱いです!!

だから、すぐに死ぬ生き物です!!

憎しみを持ってはいけないと言うのならば、せめて敵討ちを!!」



「そう。

人間は弱い。

だから、人神じんじゅうが、人間を守り、正しい道へ導くべきなのだ。」



そこに、ランフリーが口を出した。



「あの、ショウドさんの言っている事は正しいと思います。

でも・・・何が正しい道で何が正しくない道かを決めるのは自分自身です。

自分しかそれは決められない。

だから、人神じんじゅうさん達と人間は、仲間って事のが正しいと私は思います。

守るもの、守られるものではなく、仲間同士として、人間と向き合えばいいのじゃないですか?」



ショウドは微笑んだ。



「賢さなら、 人神じんじゅうより人間の方が上のようだな、アシュラン。」



「そう・・・ですね。ショウド様・・・。」



ショウドはリニアにちかずいた。



「先程は、アシュランが君に対して失礼な事を言った事を許してほしい。

すまなかった。

わたしは、君の両親に殺されてよかったと思っている。」



「いえ、大丈夫です。

でも・・・どうして、よかったと思ってるんですか?」



「生まれ変われた気がするんだ。

新しい自分に。

だから、もし、薬を見つけて生き返ったら、新しい自分を探そうと思う。」



アシュランは言った。



「ショウド様、その時も、私がお供致します。」

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