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犯罪者。

二人はコールディアに向かう途中、大人達の事について語っていた。



「なぁ、ランフリー、自分の両親好きか?」



「私は・・・私の手で両親を殺したの。だから、好きでも嫌いでもないの。分からないから、親の温もりとか。」



「あ・・・ランフリー、ごめん。

俺・・・。」



「えっ、ぜんぜん大丈夫だよ。それより、リニアは両親好きなの?」



「俺は、嫌いだ。両親も大人も大嫌いだ!

大人は全員犯罪者だ。」



「でも、なんで?」



「あいつらが生き物を殺したんだ。

俺は見たんだ。」



「リニアは目で見えてる事しか信じないの?

その人達の事情とかも考えないで、自分の意見だけで、犯罪者とか言っていいの?」



「・・・・・・。」



そのまま二人、無言で歩き続けていると、ランフリーが突然、前を指差しながら大きな声を出した。




「リニア!!

あれがコールディアじゃない!?」



「え?」



リニアがランフリーの指差している方向を見ると、すごく大きくて綺麗で全体が空色の街が見えてきた。



「ついに・・・コールディアに来れたな。ランフリー。」



「うん!!早く行こっ!!」



〜コールディア〜



「ここが、コールディア。

オルゴールの音色が素敵ね、リニア。」



「そりゃ、オルゴールの街だからな。

世界一のオルゴールがコールディアにはそろってるんだ。」



「ここなら薬があるかも!!」



「じゃあさっそく、道具屋にいくぞ!!」



道具屋ヘリニアとランフリーが走って行くと、店の人とあらそってる17歳ぐらいの男の子が居た。



「薬がないだと!?

ふざけんな!!テメェ、どっかに隠してるんじゃねえだろうな!?」



「無い物は仕方ないだろう!!

だから何回、言わせるんだ!?

どこからか来た男性一人、女性一人が買いしめたと。」



それを聞いてリニアはそこに走って行った。



「おい、おじさん!男と女が来た時、絶滅がなんとか、とか言ってなかったか!?」



「あー、そう言えば絶滅させたのに生き返らされたら困るとか・・・。」



「くっ・・・犯罪者共が・・・くそっ!!」



「リニア、それって・・・両親?」



「ああ、そうだ。

ランフリー、俺の街に戻ろう。」




「う、うん。」



リニアは、ランフリーを連れてコールディアを出た。



その場面を見ていた男の子は呟いた。



「なんだ?

あいつら。」



その頃、リニアとランフリーはリニアの街に着いてすぐに両親の所に行った。



「父さん!!母さん!!」



「リ、リニア・・・。」



「あ、ああ、こ、こんなことになるなんて・・・・。」



「父さん?」



「もう、生き物達が生き返る事はない。

例え、薬を使っても。」



「な、なんだって!?そんなに・・・自分達が大事なのか!?

自分達の為なら生き物達も殺すのか!?」



「ちょっとリニア、やめなさいよ。」



ランフリーが止めに入ったが、リニアはそんな事聞こうともしなかった。



「答えろよ!!

人間のかってな都合で生き物達は殺されるのかよ!?」



「リニア!やめなさいってば!!

私にはリニアの優しさが、想いがわかるよ。でも、そこまで自分の親を犯罪者扱いする必要ないでしょ!?」



「おじょうさん、いいのです。

僕達が、生き物達を絶滅させたのですから。だから僕達は、最初からこうしてればよかった・・・。」



リニアの両親はナイフを持って自分の腹に軽く当てた。



「リニア、すまなかった・・・。

本当にすまなかった。」



「リニア、ごめんなさいね。

お母さん、リニアに何もしてあげられなかった。

しかも、こんな逃げるような事してごめんなさい。」



そしてとうとう、二人はナイフを腹に突き刺してしまった。



「父さん!!

母さん!!

まだ・・・まだ父さんと母さんには生き物を生き返らせる役があるだろぉ!!

なんで死んじまうんだよぉぉぉぉ!?」




リニアは両目に涙をためて、両親の所に行こうとした。

しかし、それをランフリーが止めた。



「リニア、行っちゃだめよ!

そしたら、あなたまで死んでしまう。」



「俺が・・・父さんと母さんを・・・。」



すると突然、どこかで聞いた男の子の声がした。



「そうだな、お前が両親を殺したんだな。

お前も・・・犯罪者だな。」



「あなた、道具屋に居た人ね!?

なんでそうゆう事言うの!?」



リニアは下を向いた。



「いいよ、ランフリー。俺は、もう犯罪者だからさ。」

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