Vol.22-ⅱ 『想像の連鎖』
――前回の続き。
∆∆∆∆∆∆∆∆□
花子はふいに目が醒めた。
ベッドから降り、カーテンを開ける。
空には雲の割れ目から薄っすらと月の姿。
町は寝静まりかえっている。
花子は、もう一眠りしようとカーテンを閉じ、ベッドに寝転んだ。――けれど、眠れない。
コチコチと時計の針が鳴っている。
「やだなぁ、明日は早いのに……」
花子は文句を呟いて寝返りをうった。
意味もなく壁紙を見つめ、ため息を一つ。
明日は大事な試験がある。万が一、寝坊でもしたら……と考えて花子はぞっとした。
寝よう、眠ろう。
寝よう、眠ろう。
呪文のように心の中で唱える。
しかし、唱えれば唱えるほど眠気がなくなっていき、もう一度、花子は息を吐いた。今度は、自分を落ち着かせるように。
∆∆∆∆∆∆∆∆■
自分が好きだな、と思った骨組みを使って考える。
何を考えるかというと…「箇条書きがイヤだ!」なので、じゃあどうやって書くのか?
いっちょ繋げてみる!――と思ったけれど繋げたところで変わりないだろうから、何が足りないか元の文を読み直してみるのであります。
前に「出だしはシンプル――それが私らしい出だしだ」と書いたので、最初の一文は《花子はふいに目が醒めた》でいこう。
問題は次。
花子は起きてから、なんでカーテンを開けたのか?
地の文が箇条書きに見えてしまうのは、セリフが少ないせいもあるかもしれないが、花子の行動に理由がないから薄っぺらいモノに見えてしまうんだと思うのです。
どうして立って、カーテンを開けようとしたのか?
カーテンの隙間から何か見えたのか?
何かを確かめたかったのか?
暑苦しくなって空気を入れ換えようと?
花子がカーテンを開けた理由を想像する。
自分が作った骨組みに、自分が作ったものから想像したものを足す――肉付けする。主人公に、登場人物らに、想像して書き綴った世界のあらゆるものに理由を作ってあげるのが、作者のお仕事でやるべきことなんだろう、きっと。
花子に人生を作ってやる。
履歴書に書けるような……まではやり過ぎかな? でも、他人の感想欄で見掛けたことですが「登場人物の描写がなくてどんな人物なのかわかりません」って書かれてあって、作者さんがせっせと「花子は黒髪ロングヘアーを〜」と全身事細かく綴るもの。
それに、やっつけ仕事みたいに序盤でまとめて書いたりね。
人生――設定あるんじゃん。
その細かさを振り分けて、入れ込んであげればいいんだと思うのです。花子の容姿だけじゃなく、どんな部屋なのか、どんな町に住んでいるのか、今日の天気、明日は学校、学校はどんなところか、何年生か、それとも教師なのか、恋人はいるのか……いや花子といいつつ性別は違うかも、男かも、男の娘かも、じゃあなんで男の娘なのか、家族はどう思ってんのか、兄弟はいるのか、友達はいるのか――
花子はなんのために生きているのか?
設定は想像だ。
想像は世界だ。
世界は言葉の詰め合わせだ!
と、気合いを入れたところで箇条書き骨組みに花子の人生を入れ込むのであります。
∆∆∆∆∆∆∆∆□
花子はふいに目が醒めた。
昼間から浴びるように酒を飲んだせいか帰宅した憶えはないが、自室のベッドの上――コンタクトレンズを外すのも忘れ、目はシパシパと乾燥し、擦るとつけまつ毛がポロリとこめかみを掠めて落ちる。
「……マジかぁ」
呟いた声も酒焼けで酷い。
∆∆∆∆∆∆∆∆■
…花子は嫌なことでもあったんですかね。あとは想像にお任せしますが、ベッドを降りるだけの彼女に日常が出来ました。
さて、自分の書いた文、たった一文にどれだけ自身で想像したことを入れ込んでいるでしょうか? 入れ込むことが出来るのか!?
以上です。
('・ω・')
「でもさ、骨組みだけで十分なんだろうなぁ…と、なろうに生息して、ランキングを見て、思うことしばしば…」





