Vol.1 『て』
『て』の扱いについて。
『て』――ある日、こいつに惑わされることが続き、どうしたらいいんだろ?と悩んでいたんです。
シリアス中途半端系三人称でほぼ書くのですが、邪魔されるんですよ。『て』がいると、なんか甘えたちゃんな雰囲気があるわ、と。
堅苦しいまで行かずとも、ちょっとでもシャンと背を伸ばしているような文章で書きたい。そう思うと『て』の必要性をあまり感じなくなったのです。
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クリネクア・べマーチ、別の名を鬼軍曹。本日、合格を得た新兵達の面を眺め回し『て』、今日の大人は随分可愛らしいものになったと掲げた短機関銃をヤケクソにガシャガシャと鳴らした。
クリネクア・べマーチ、別の名を鬼軍曹。本日、合格を得た新兵達の面を眺め回し、今日の大人は随分可愛らしいものになったと掲げた短機関銃をヤケクソにガシャガシャと鳴らした。
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ま、些細なことです。「は?」みたいなことかもしれませんが、自分の書く文章は一人称なのか三人称なのか、またコミカルなのかシリアスなのかで、ほんの些細なことも気になるもんである――
そんなお邪魔虫『て』の話でした。