元特殊部隊員の俺が一般人の感性を得るのは難しい
少し時間が空きました!
誤字、脱字等があるかもしれません注意して下さい・
ふぁ〜、よく寝た
朝眼が覚めるとまず行うことは周囲の偵察だ。
俺が寝てる間に誰かが来てないか”徹底的”に調べる。
これを怠るものは起きて数分後にはジャングルの肥えとなるのだ。
俺は周囲を見渡す。
ん!?
”足跡”だ。
これは…”獣”か?
それと横には約24cmと思われる靴跡が見られる。
なるほどこの靴跡から、戦闘靴などではなく、一般のスニーカーと呼ばれるものだとわかる。
俺たちは世界の何千という靴底を覚えるのだ。
有名所では、ナオキ、パーマ、アディオスなどだ。
これは…アイランド村製の安い靴だな。
子供か?
まさか、この国は子供が獣を使って敵を捜索するのか?
これは、まずい事になった。
俺は寝ている間に強い敵視を向けられると、本能で目覚める、もしくわ反撃するように訓練されている。
つまり、俺に寝起きドッキリというものは通用しない訳だ。
この前も1人基地で殺りかけた。
イタズラは、するものじゃない。
そんな事はいいとして。
こいつは強敵だ。
獣を使って、俺の位置を探り、自分の気配を消して、俺に近づいた訳か。
俺の情報を持ってかれた可能性が高い…
これは、殺るしかないか…
不用意な戦闘は好ましくないが、この場合致し方ない。
俺は必死に考えるのであった。
「お母さん、この人地面に向かってなんか喋ってるよ?」
「こら、みちゃダメ!!」
これは午前8時の、新町ニュータウン第1大橋の川原での出来事であった。
-------新町in大きな公園--------
俺は足跡を追っていた。
足跡を追うのは、得意中の得意だ。
あの時も、こんなことしてたっけな・・・
それは、5年前のとあるジャングルでの出来事だ。
-------5年前inとあるジャングル------
この日俺はある盗賊グループの足跡を追っていた。
足跡は雨が降ったりすれば消えてしまう。
時間との戦いだ。
ジャングルを3日歩いたころだ。
突然盗賊グループの足跡がなくなった。
そこに残されていたのは、ただ1つ。
足幅50cmはある、足跡だった。
それは奇妙な形をしていて、7本の指を持っていた。
俺はその足跡を追っていくと。
足跡の周りにテロリストの物と思われる、散らばった衣服を確認する。
俺はそのまま追い続けた・・・
その夜だった。俺は突如洞窟にたどり着く。
「membantuーーーーー!!!!(助けて!)」
中からは現地の人の叫び声が聞こえる。
「これは!間違いない盗賊のアジとだ!」
5日間足跡を追跡してようやく、見つけた。
俺の任務は盗賊を見つけ次第撲滅することだ。
この洞窟を潰せば任務終了だ。
俺は中から人が出てこないうちに洞窟に遠隔爆弾を仕掛ける。
「ふう、やっと終わった」
パパッっと作業を終わらせ爆破する。
「ドフン!」
鈍い音とともに洞窟は崩れる。
「任務完了!」
俺は5日間の疲れを感じながら本国へと帰った。
国へ帰ると、空港でたくさんの人がテレビを凝視している。
「何があったのだろう?」
「3日前、○○村が突如として消えました!
村の周りのジャングルには1週間前から、謎のミステリーサークルや、丸い円盤型の物体がたびたび見られていたとのことでした。
現地の人の話では、村が消失する前の日に空から沢山の流れ星が降ってきて、突然大きな毛むくじゃらの怪物が襲ってきたとのことでした。
怪物は怒っている様子で、「"仲間の居場所を吐け、SOS信号来た。"」と、村中の人たちにテレパシーで聞いて回っていたそうです。
現地の霊媒師の話では誰かがジャングルの神様を怒らせたからだ!!。と話しているそうです。
次のニュースです・・・・・・」
テレビのニュースキャスターは声を荒げて報道している。
珍しいな、俺がこの前いたジャングルのあたりの村じゃないか。
怪物か。確かジャングルに大きな足跡があったな。まあ、関係ないだろう。
俺は疲れた体を休めるために基地に足を急いだ。
「おいおい、宇宙人か?」
「え?SOS?誰かが宇宙人と戦ったのかしら?」
周りの人間は宇宙人のはなしでもちきりだった・
ーーーーー現在ーーーーー
俺はやっとターゲットを見つけた。
公園に座っている、怪しげなドーベルマンと耳が生えた怪しいフードを被った女だ。
「間違いない、あいつらが朝俺の寝床を探ったと思われる犬と人だ。」
きっとあいつらは俺の情報をもってアジとに向かうのだろう。
だが!!!
残念だったな。もう俺はお前たちを見つけた!
ここで、消すか・・・
俺は公園の高台からやつらを見張るのであった。
「おじしゃん!、邪魔だよ!!。」
「そうだよ!ちゅうたいができてるよ~!」
「ん?何だお前たち?!」
いつのまにか高台に渋滞の列ができている。
「おじさんが邪魔でしゅべり台いけないの!!」
俺は今、5歳の坊主に説教を食らっていた。
「しゅべり台だと!?」
この緊急脱出用の坂のことか?
「なにいってるんだよ!すべり台だよ!」
別の子が叫ぶ。
まさか?!この坊主たちは高所からの緊急脱出訓練の途中だったのか?!
なんということだ!社会の5歳児はもう、こんなハードな訓練を受けているのか?!
「す、すまない。訓練中だったのか。」
俺は狭い通路を空けた。
「おじさん、あいがと!!」
俺の後ろにいた子は勢いよく高台から”脱出”していく。
「な、なんということだ。早い!。」
社会の5歳児はよく訓練されている。
確かによく見ると、鉄の棒で筋力トレーニングをする子や、振り子運動を使って椅子に座りながら高いGに耐える、耐G訓練をするも子もいる。
「なるほど、ここは社会の訓練場のようなものなのか・・・」
俺は社会と言うものを舐めていたことに痛感した。
おっとこんなことに驚いている場合でわない!
俺は本来の任務に戻った。
とりあえずここで情報の拡散を抑えよう・・・俺はそう決心すると、早速ターゲットが座るベンチへと急いだ。
ーーーー新町公園in ベンチ裏の草むらーーーー
俺は気づかれないよう草むらに移動した。
ここならターゲットに気づかれることもない。
しかし注意が必要だ。
まず、あの犬だ。ドーベルマンは警察犬となれるほどの賢さをもつ。
噛まれたらひとたまりもない。
現に俺が後ろにいることに気づいているのか、しきりに俺の草むらに吼えている。
「こらハチ!吼えちゃだめ!子供が怖がるでしょ!」
犬は気づいているが飼い主はきづいていないらしい。
ドーベルマンに怒っているみたいだが、多分吼えなくても犬に睨まれただけで、子供なら泣くだろう。
あの歳で、軍用犬を従えているのは驚きだ。
だが残念だったな。俺の寝床を探ったのが運の尽きだ。
まだ注意が必要だ。ターゲットは獣の耳が生えたフードをつけている。
「きっとあれは周りの音を増幅して、小さな音でも気づけるようにしているのだろう。」
社会には獣の耳を生やした人もいるのか。恐ろしい。
よし、計画を練ろう。
まず、ターゲットに後ろから接近して、あの怪しげな耳を使用不能にする。
聴覚をなくせば、無力化はたやすい。
次にやつの首をへし折る。
そして犬の処理だ。
完璧な作戦だ。
では、早速始めようじゃないか。
俺は草むらから一気に間合いをつめる。
その直後犬が俺に気づき、猛スピードで向かってくる。
「え?!ハチ!!」
よし!、ターゲットは何が起こったか困惑しているようだ。
いける!
この間、コンマ5秒。
次の1秒でやつの獣耳を無効化する。
俺は目にも留まらぬ速さでターゲットの飼い主の首下へ接近した。
そしてやつが振り向く前に、獣耳に触れる。
「この怪しい獣耳はとらせてもらう!」
「え!ひゃ!」
俺はやつの耳を強引にとる。
が、しかし・・・
「何!!!?おとりだと?!」
俺が体の一部だと思っていた耳はフードについた罠だった。
「糞ぉぉ!!!」
驚きで少し、動作が遅れる。
こうなったら、直接やつの首を頂く!
俺はターゲットの首に手をかける。
が・・・
「わん!!」
パク!!
俺の右腕は犬に噛まれていた。
「うぐぅ!」
俺としたことが。耳がフェイクだと感じた動揺で、動きが遅れ計画が狂った。
腕を噛まれた瞬間にわかる。
深く刺さった犬の歯は、急所をついていたことに。
犬は前から、飛び込みながら俺の右腕に掴みかかった。
つまりこのままでは、犬の飛び込み反動でさらに深く歯が刺さることになる。
俺は急所を避けるため素早く、犬が飛び込んできた方とは反対側、つまり後ろに飛び込んで、犬が飛び込んできた反動を吸収する。
しかし・・・犬の飛び込み速度は予想以上に速かったらしい。
俺が後ろに飛び込んだ速度に対して、犬の飛び込み速度は遥かに速かった。
まずい、このままでは腕ごと犬にもってかれる!
「はち!やめてえっぇぇ!!!」
「え?」
その瞬間犬は手から離れ、俺の真横に飛び込んでくる。
彼女は叫んでいた。
何故だ?俺はこいつの敵だぞ?
俺は今まで起こった事がない事態に困惑する。
「ポた、ポた」
俺の手からは鮮やかな液体が滲み落ちる。
この日、俺は初めて任務に失敗した。
ターゲットは、自分が殺されそうになったのに、俺に情けをかけてきた。
やつが、止めなければ今頃、犬に”腕”を持ってかれていただろう。
なぜ、自分を殺そうとしたやつに情けをかけた?
俺だったら、確実に殺っているはずだ。
自分を奇襲したやつに弁明など必要ない。
やはり、外(社会)は分からんな。
俺が一般人の感性を得ることはまだ難しいらしい。
今回も勘違いMAXな主人公でした。
さて重症をおった主人公ですが、犬に噛まれるとめちゃ痛いですよね。
私も家のトイプードルに噛まれて手に穴が開きそうになったことがあります。
次回は、明日の更新になります。
今後もお楽しみに!