1話
そういえば最初に出てきた女性は誰なのだろう?あの時はてんぱっていて気付かなかったが、地球では考えられない美女だ。透き通った陶芸品のような肌、すらりと長い手足完璧なルックスだ。つい見とれていると、後ろから突き刺さるような視線を感じた。由衣だ、なぜか後ろに鬼が見えるのでとりあえず無心になる。でも男の子だからしょうがないことだよね。
ここで女性の紹介が始まった。
「紹介が遅れて申し訳ありません、私はルブリカ王国の第2王女のラティシア・S・ルブリカと申します。強制的に転移させるという手荒な呼び方をしてしまったことは、本当に申し訳なくお持っています。お父様ごお呼びしているので着いてきていただけますか?そこでいろいろな質問を受け付けますので。
セバス!!」
「ハッお嬢様いかがいたしましょう」
「この方々をお連れして」
それにしてもセバスはまんま執事だな、しかしお姫様とは衣服が豪華なわけだ。お父様に会いに行くということは王様に会いに行くのか、なんかドキドキするなー。そんなことを考えながらセバスの後を追いかける。廊下はそこまで豪華な雰囲気ではないが大理石を使っているので凄くきれいだ。5分ほど歩くとひときわ大きくて豪華な扉が見え始めた中に入ると豪華なシャンデリアや、美術品が飾られているその先に座っているだけでオーラを放っているTHE王様が据わっていた、みんなで頭を下げて待つ。
「面を上げよ、こちらが呼んだのだ、そう固くならんでもよい」
その言葉を受け、やっっと少し落ち着きを取りなおした。結構神経和図太いと思っていたがこんなに緊張するとはさすが一国を収める人だなあと痛感した。
「無理やりおよび立てして本当に申し訳ない、何でも質問するがよい」
俺は一番気になっているこの世界の平均ステータスを聞いた。
「そうだな成人男性でだいたい10~18程度でスキルは1~2個と言ったところだな。上位の冒険者などは
300ほどまでいっている者もいるな。」
絶望だ俺弱い、せっかく勇者として召喚されたのに平均以下だなんてorz継承がもう少し強そうだとよっかたんだが、スライムじゃ役に立ちそうにない。俺はこの世界で生きていけるのだろうか? その後色々な質問をしてわかったことは、
・ルブリカ王国は4大国のうちの一つでルブリカ以外にペンドラ王国、サリーズ帝国、モルベン聖国家がある。魔族は魔境にあるダイン魔王国に住んでいる(ダインとは初代魔王で神にも並ぶ力を持っており、神々と戦争した時に死んだとされる。)
・冒険者とは魔物を狩ったり、ダンジョンと呼ばれる洞窟に潜り攻略して生活を立てている人のことである。
・この世界の通貨は光金貨・大白金貨・白金貨・大金貨・金貨・大銀貨・銀貨・大銅貨・銅貨がありそれぞれ100枚で1個上の通貨になり平民の給料は1年で約金貨5枚である。ちなみに中級冒険者は年に約金貨20枚ほどの稼ぎがある。
・人族と魔族以外には獣人、海人、エルフ、竜人などがいる竜人は数が少ないが個々の能力が高い。
・魔族に少しずつ押され始めているが魔族以外は同盟を組んでいるので魔族の進行はゆっっくりである。
・魔法があり火・水・風・土・氷・雷属性があり、氷雷は威力が高いが適正者が少ない。例外にユニーク魔法がある例えば光・闇・時空間魔法など。
・スキルにはレベルがあり1~5は初心者6~15は中級者16~20が上級者21~25が達人と呼ばれており、過去の勇者の剣術スキルのレベルは150を超えていた。
などである。魔族には押されているがすぐに負けるということはなさそうなので少し安心した。しかしここで驚愕の発言が出る。
「この中から上位10名だけを選んで育成しようと思うのだがどうだろうか、ほかの方も一応は保護をしておくので良いだろう。」
「それはいい考えでございますねお父様!ほかの方への負担が減りますわ」
(くそっ余計なこと言いやがって)
俺は心の中で舌打ちをする。これでは絶対に俺が最下位だからである、そうなるとイジメや態度の違いにつながって俺が差別される気がする。そうなるともうこの国出ちまうかと考えてしまう、しかしそうなると生きていけないかもしれない。ならお金を少しもらって出ていこうかなと考えていると、引き締まった体を持つ周りとは少し違う権を持つ兵士が出てきた、その兵士がこれから訓練場に案内するらしい。訓練場は地下にありとても頑丈な作りになっている。
「ここで皆の実力を見せてもらう。」
ついに始まってしまった実力測定、相手はこの国の兵士らしい。ステータスは、高校生のほうが高いが技術が全然違うので良い戦いになりそうだ。くらすの名簿順で挑むことになったので俺は軽くストレッチをして準備をする、まあぶっ飛ばされる未来しか見えないが出来ることはやろう。そして俺の番が来た。
「よろしくお願いします!」
俺は殺すつもりで木刀を振り下げるしかし腰に力が入らずヒョロヒョロなので簡単にいなされ首に剣先を突き付けられる。
「まいりました」
やはり簡単に負けてしまった。少し残念だが、まあわかっていたことなので気にせずに行こう、そう思って気を取り直すのであった。