特異と変化
このセカイの“ヒロイン”は、私。
“ヒロイン”は、その美しさと心で攻略対象者の心を救う。
「やっと、辿り着いた私の“ハーレム”」嬉しさを隠せずに笑みを浮かべる。「ちょっとそこの方」美しい声、低すぎず、高すぎずのその男性の声に反応して振り返る。ソコにいたのは、白が似合う麗しい男性。白銀の髪とその金色の瞳。白基調の軍服らしき服を違和感もなく着こなすその男に目を奪われる。「……です、知りませんか?」
うっとり見惚れ、質問されていたことに反応が遅れた。「知りませんか、そうですか…」残念そうに言うとそのまま去っていく。あ、と反応したときにはすでに遅く彼の姿はもうなかった。
「……こんなの、知らないわ。もしかして、隠しキャラ?」興奮気味に言う。「にゃおん」猫の鳴き声に反応して、その方へと目を向けると黒猫が優美に座っていた。可愛い、そういいながら近づくとフイッとそっぽをむいて去ってゆく。「可愛くなーい」
***
「黯、お帰り。………感づかれちゃったね、黯」
「にゃおん」黒猫は影に寄り添う。「ふふ、ありがとう」
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「黒間さん」「どうしました?」
微笑む彼女は、美しいと、麗しいを兼ね揃えている。知らない、知らない、こんなの、知らない。もしかして、隠しキャラのライバルキャラ?
でも、大丈夫よね。だって、私はこのセカイの“ヒロイン”だもん!
……でも、見逃したりはしないわ。特異点は絶対に見逃すわけにはいかないのよ。不適に笑う少女を誰も気付かない。
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