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魔女は笑む。  作者: 薄雀
3/15

決戦


私は、今日ここを卒業する。そして、彼女が作り出すループされる一年間からも。

ようやく、来たのだと実感する。仲間を増やし、今日抗議する。囲み込みは、卑怯だとは…思うけれども決めたのだ、終わらせる、終わらせなければならないのだと。



「あなた、ちょっといいかしら?」

呼び出しをかけ、校舎裏にてしばし待機。皆少なからずそわそわしたりしている中、不思議な雰囲気を持つ黒間良夢だけは冷静で全てを見透かした様な瞳をする。彼女をみていると何故か不安になるどこか失敗しているかのように…思えてしまう。いいや、きっと違うと思いつつも不安は募ってゆく。そこに現れたのは例の“転校生”だ。確かに愛らしい印象を与える彼女だがどうしてあれほどまでに異性の気を惹くのかはわからない。しかし、ただ一つわかるのは異性にしか効かない。泣き落としだとか、女の私達には効かないのなら簡単だ。



人としてどうかとは思うけれども、頑なにこのループをやめないと言うのなら実力行使で行くしかない。



「あの……っ私、何かしましたか?」

オドオドと言う彼女に私は口を開く。後ろの皆もなにかいいたげだが、私に任せてほしいと了承は得ているので押し黙る。

「あなたのしていること、私達は気づいているわ」

「………な、何のことですか?」

一瞬だが、動揺を表した彼女は嘘をついていると確信して続ける。「何度も何度も繰り返しているこの一年間をもうやめてほしいの」


そう願えば、目を見開いた彼女は顔を伏せる。そして、しゃくりをあげ始めた。「……私達は、やめてもらうだけでいいの」泣かないで、そう続けようとしたが彼女は意外な言葉を放つ。



「ふっ、ふふふっ。バカじゃないの?正々堂々と来るなんてさぁ?」笑い声をあげつつ、口元はニイッと見下したように笑みを作る。ああ、私達は間違ってた彼女に願えばいいと思いこんでた。初めから、実力行使でいかなければならなかったのだと気づく。


「あはっ、でも…………遅いよ。だってこのルート…終わっちゃったもん」


ガラリと崩れゆくセカイに瞠目する。終わっちゃった?また、一年間が…始まる?

ただただ、絶望した。周りの皆だってそう。あれほど願った終わりがすぐそこにあったはずなのに。既に終わっていたなんて……



*****


正々堂々と来るなんて、思っても見なかった。だから少し動揺したが、そこまで心配することはなかった。いずれ、綻びからばれることはあるだろうと前々から対策はしていたし。呼び出しは、最後のイベントを終わらせてから向かったため少しのエンディングの後また一年が始まる。

彼女、宮園サラはよくやった方だ。なにせ、絶大な人気を誇る女子生徒だったから。

あの絶望に満ちた顔はすごく楽しかった、スリリングだけれど楽しかった。けど、次の回もそうはさせたくない。なにせ、“逆ハー”ルートにチャレンジするんだものすこしのバッドエンドのフラグは回避したいもの。綺麗サッパリ忘れてちょうだい。




私の思いが強ければ強いほど思い通りになる。彼女は本当に綺麗サッパリ、私のしていることを忘れて綻びがあったとしても思い出さない。崩れゆくセカイでそう強く思いつつ彼女達に笑みを向ける。そして、目を見開いた。

絶望に満ちた彼女達の中にひとりだけ…




──────余裕の笑みを浮かべる女子生徒。



ああ、どうしてこうも動揺してしまうのかしら?ここは、私のセカイだというのに。



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