第1話 出会いと始め
どうも、ユキです。
結構適当に見えるかもしれない今回ですが、僕の文才やら知識やらが足りてないということで、多めに見てください…
ではどぞー。
「なぁ、サークル棟に部室があるのになぜ僕の研究室に集まるんだ…?」
今は全授業が終わったのか、僕の研究室に集まる秘封倶楽部の皆。
「いいじゃない。だって解登君は秘封倶楽部の顧問じゃない。」
「そうだそうだ~♪」
「ですって、解登さん。」
上から蓮子、明香、メリーの順に返答がくる。
全く…僕の研究の時間をどういうつもりなんだか…
「解登く~ん、お茶は~?」
「勝手に来といて次は茶をたかるのか君は…」
「蓮子、解登さんはいつもここに…」
僕が頭を押さえて目を逸らした隙にメリーが棚から茶葉を取り出す。
「なんで君はそこにあるとわかったんだい?」
「それは…ここではいえないわ」ポッ
「なになに?どういうこと~?」ニヤ
なんで顔を染めるんだ…そしてそれにくいつくなよ明香…
「冗談は置いといて。本当はたまに私がここにいる理由、ですよ。」
「勝手に僕の散らかっているデスクを整えているのは君か…」
ちょくちょく散らかしっぱなしのデスクが綺麗になってるのはメリーが整理していたのか…いつの間にか、勝手に僕の研究室に入るのは勘弁してくれないだろうか…
「メリーだけ解登君と密会!?これは事件だわ…教授と生徒の恋愛…」
「蓮子ちゃん、一大事だよ!」
ニヤニヤしながらこっちをみるな…全く。
「そんなことはどうでもいい。ここから出てってくれないか。今から一研究の発表のためのレポートを作るんだ。邪魔されては困る。」
僕は真剣な顔をして彼女らを見る。
「え~。別に邪魔しないからいいじゃ~ん。」
「邪魔しないから、ではダメだ。ここにいては邪魔になる。いるだけでだ。だから出ていってもらおうか。」
僕は彼女らを立たせ、扉へと追いやる。ぶ~ぶ~いっていたが気にしない。最終的に諦めたのか、足音が部屋から離れていった。
「全く、あいつらは僕が教授だっていうのを忘れてるんじゃないのか…」
僕はため息をついてPCの前に座る。
「なんでこんな事になっているんだろうか…」
僕は彼女らとの出会いを思い出す…
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-入学初日。
僕は幼馴染の明香を連れ、大学へと向かう。
「大丈夫だって!ここまで来たら迷ったりしないよ!」
「そんなこと行って、入学式当日に迷いまくってたのは誰だ?」
「う~…」
入学式、明香は式をやる講堂に向かったはずが全く来ず、心配になった僕が探した結果、講堂と真逆の位置にいた。当然『一人で大丈夫!』なんていった彼女を僕は叱った。
「今日はオリエンで僕も同じ教室に行く。だから連れていくと…」
「も~解登は頭が固いんだから…」
そうして僕らはオリエンをやる教室にたどり着く。同時に入ってきたことからか、それとも『入ってきた』ことに反応したからか、僕らに注目が集まった。
「…?」
「明香、オリエンが始まるまではおとなしくしてろよ。」
僕はその場を去る。他の教授の方々と合流するためだ。このあとの教室での出来事は明香にきいたのだが、曰く、質問の乱打だったらしい。『あの人とどんな関係?』だの『あの人の名前は?』だの『付き合ってるの?』だの…いろいろ聞かれたらしい。その時に明香は『宇佐見蓮子』と仲良くなったらしい。
その後、オリエンは何事も無く進められ、今日の日程は終了した。
「どうやって授業選べばいいんだろう?」
「聞いてなかったのか…。」
未だに時間割表をみて唸っている明香を見て僕は頭を押さえる。
「じゃあさ、私と同じの取ろうよ!学科も同じなんだしさ。」
「わっ!?れ、蓮子ちゃん?」
後ろから、いきなり声を掛けてきたのが宇佐見蓮子というらしい。僕はここで初めて会うことになる。
「あ、あなたは…だれだっけ?」
「はぁ…オリエンの時に紹介があっただろうに…僕は途之解登。」
「一応聞いときたいんだけど…明香とどんな関係?」
「幼馴染。それ以上でも以下でもない。あと、僕は教授だ、礼儀は忘れないように。」
歳がちかいのを知ってなのか、それとも素なのか、「え~」と返ってくる。
「明香もだ。大学では教授と呼ぶようにな。でないと他の教授に目をつけられる。」
「う~…もうわかんないことばかり~…」
未だに時間割を見ながら唸る彼女をみて、蓮子が一言。
「ねぇ解登k「途之教授だ。」…教授、まさか明香って…」
「まぁ…残念な子、だな。主に頭が。」
「そうなんだ。」
納得するか。まぁいいだろう。
「置いてきぼりはひどいんじゃない?蓮子」
「あ、メリー!ごめん忘れてた。」
ここでメリー、マエリベリー・ハーンと初対面。
彼女は一年次に課せられるセミナーで蓮子と同じ班らしい。
ここで僕らはお互いに自己紹介をする。
「へぇ…あなた、教授なのね…」
「まぁね。ホントはなるつもりなんてなかったんだけど。」
「明香のお守りなんてね。」
笑いながら蓮子が煽る。まぁのるつもりなんてないさ。ホントに、馬鹿みたいな話だからな…
「ところであなた達、サークルは決めた?」
メリーの口から『サークル』の言葉。大学入ってすぐ決めることはほとんどないんじゃないかとか僕は考えていたがメリーはほとんど決めている。そんな気がした。
「う~ん…それよりも時間割…」
「私はもう決めてるんだ!」
未だに悩んでる明香と違い、蓮子は即答した。
「秘封倶楽部ってところなんだけど…メリーは?」
「…私もよ。」
その秘封倶楽部、僕が顧問になろうとはこの地点では知る由もなかった。
「でも今は顧問もメンバーもいなくて入って来なかったら廃部なんだとか…」
「メンバーは今ここに私と蓮子、それに明香がいるわ。顧問は…」
二人して僕の方を見る。
「「途之教授」」
「な、なんだい;?」
僕は嫌な予感がした。そして僕の中で答えは出てしまった。『顧問になる』と。
「「顧問になってください」」
僕の中の答えは覆らない。僕は仕方なく了承した。
「う~ん…これをとって…あとこれと…」
まだ悩んでたのか…全く…
僕は明香に助言をして、今のメンバーとともに、サークルの書状を出しに行く。
これが秘封倶楽部結成の瞬間…
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「全く…なんでこうなってしまったんだろうか…これも僕の能力の所為なのだろうか…」
僕の能力…普通の人が持ち得ない能力を所有している。これの集まりが秘封倶楽部。
かくいう僕は『答えを知る程度の能力』を所有している。
僕は幼い頃からこの能力を自覚していたが使うことはしなかった。それは後に話すか…
他の皆も僕とは違う、様々な能力を持っているらしい。
明香は『過程を創る程度の能力』というのを所有してるらしい。彼女曰く、とある命題についてすぐさま過程を創り出せるという。本当なのかは知らないが僕が出した答えに対してすぐさまこんなことがあるから…と返してきたことがあったな…
蓮子は『星を見ただけで今の時間が分かり、月を見ただけで今居る場所が分かる程度の能力』らしい。サークル結成の帰り道に時間が気になった明香が聞いた所、時計をみずに正確に答えた所から、びっくりした明香が聞いた所、そう彼女が答えた。
メリーは『結界が見える程度の能力』らしい。彼女のは自称であり、実際にあったことを紹介することもかなわない能力だ。結界を見ることでなにが出来るのか、何をする気なのかもわからない。だが秘封倶楽部の活動内容である『境目を暴く』という名目の点で役に立つ。ということらしい。境目とは何なのか気になるところだがな…
「全く…めんどくさいことになりそうだな…」
サークルの活動内容を確認しなおしてしまった僕はため息をつき、なにが起こっても諦めようと思い、PCに集中した。
「帰るよ解登!」
「……はぁ。」
いきなり入ってくる明香、そして時間が経ってしまっていたことに落ち込んで、僕は今日書く予定だったレポートを諦め、帰路についた。