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第7章「裏切りの刃」
夜の宮廷、月明かりが大理石の床を銀色に照らしていた。
リュカは秘密裏に動く影のように、廊下を進んでいた。
「リュカ……」
背後から低く囁く声。振り返ると、そこにかつての盟友アレンが立っていた。
かつては信頼しあった友であったが、今はその瞳に冷酷な光が宿っている。
「なぜ、こんなことを……?」
リュカの声は震えていた。
アレンは冷笑を浮かべた。
「王位を巡る闘争では、友情など意味を持たない。お前の力が邪魔なのだ」
一瞬の間に、アレンは剣を抜き放ちリュカに斬りかかった。
リュカは影の力を使い、間一髪で避ける。
「これからは敵だ。覚悟しろ」
アレンは冷酷に言い放ち、そのまま闇へと消えていった。
裏切りの刃はリュカの心に深い傷を残し、これまでの信頼が音を立てて崩れていった。
彼は再び立ち上がり、力の使い方を磨く決意を新たにした。
王国の未来を守るため、そして失われた絆のために――。